W杯に向けて変化したエディージャパン 指揮官に「だまされた」4年間
苦手だったハイパントキャッチを繰り返し練習
WTB山田らバックスリーはキック処理も安定していた 【Photo by Yuka SHIGA】
キックの使い方以外に、3勝を挙げた要因の一つは、もちろんセットプレーの安定である。4試合を通してスクラムの成功率は何と100%(28/28)、そしてラインアウトは93.5%(43/46)。「世界の強豪と戦うためにはセットプレーの成功率は9割必要」と、2012年の4月にジョーンズHCが言っていたことを有言実行した形だ。
ラインアウトはW杯ではまったく違うサインに
サモア戦ではスクラムを押し込んで認定トライを奪った 【Photo by Yuka SHIGA】
またラインアウトはドライビングモール、サインプレーのトライの起点となった。攻撃を支えていたと言っても過言ではない。スティーブ・ボーズウィックFWコーチ、ラインアウトリーダーのLO伊藤鐘史の功績は大きい。動き主導で、相手のギャップを突いて、相手より速く、高く跳んだ。HO堀江翔太らのスローイングも安定していた。また直前の試合とはまったく違ったサインで跳んだ。「直前で(サインを)見せたらバカじゃないですか!」とある選手が言ったように、ここでも賢く戦っていたというわけだ。
エディージャパンの誇りを19年に
強烈な印象を残したエディージャパン。この輝きを2019年につなげることができるか 【Photo by Yuka SHIGA】
残念ながらジョーンズHCはワールドカップ敗退とともに日本を去ったが、3勝を挙げた選手たちは「歴史を作った男たち」になった。31名の中には、2019年のワールドカップに出場する選手もいれば、そうでない選手もいるはずだ。ただこの先の4年間、「エディー・ジャパンで戦った誇り」を胸に周りの選手たちに刺激と影響を与えつつ、自ら努力して次大会につなげてほしい。そして新しい指揮官の下、今度こそベスト8進出を実現する原動力となれ。