オランダで再スタートを切ったハーフナー 特徴の生きる環境で復活を遂げる
ハーフナー「何度でもやり直せる」
オランダ復帰後は高いモチベーションを保っている 【VI-Images via Getty Images】
9月19日、ADOデンハーグは、ズウォレとアウェーマッチを戦った。どちらかというとADOデンハーグが押し気味に戦っていた試合だったが、ズウォレはしっかり相手の武器であるサイドを潰してきた。一見、スハーケンが右サイドで縦へ仕掛けているように見えていたが、クロスはほとんど入れさせなかった。ADOデンハーグは立ち上がり3本のクロスを入れたが、前半のクロスは結局4本だけ。後半も46分から75分まで、たった3本しかクロスを入れることができなかった。ハーフナーが前線で孤立するパターンである。しかし35分、ショートパスのコンビネーションから珍しくADOデンハーグはチャンスを作り、最後はハーフナーが巧みなタッチでボールを置き直し、冷静な左足シュートでゴール左隅へシュートを決めた。
後半に入ってからズウォレが息を吹き返し、1−2と逆転を許した。残り15分、ADOデンハーグは早めにクロスを入れるようになった。その数6本。こうして相手を後退させることによって、ハーフナーにもスペースが生まれ、89分にはドゥプランとのワンツーからシュートチャンスが生まれた。しかし、ディルク・マルセリスの懸命のブロックに阻まれた。
「最初に(マルセリスが)スライディングをしてくるかなと思って待っていたんですけれど、相手はスライディングしなくて。自分もシュートをためらった。その後、相手が滑ってきた。おもいっきり勇気を持って打てば2点目も入ったと思う」
そしてハーフナーは「できれば1試合2点とか取れればいいかなと思います」と悔しさをにじませた。だが、今のハーフナーは少ないチャンスを見逃さない、ゴールへの集中力がある。5試合出場で3ゴール。しかもノーゴールの2試合も、前述した通りシュートの中身は濃かった。フィテッセ時代、「オランダリーグは飽きた」とステップアップを誓ったハーフナーだが、今再び、高いモチベーションを保っている。
「スペインではいろいろあってダメになっちゃったから、また再スタートということです。まあ別に『(飽きたと言ったからといって)飽きた』というわけではないですけれどね。自分も28歳ですし、多分ヨーロッパで戦えるのもあと何年かだと思う。しっかりと何度でもやり直せるし、ここからまたやり直して、ちょっとでも上のレベルに行ければ良いかなと思います。結果を残せば(日本代表に)呼ばれる可能性もあると思うので、しっかりとチームで結果を残して、頑張りたいです」
翌日、NOSのサッカートーク番組『ストゥディオ・フットボール』で、解説者のコー・アドリアーンセはこう語った。
「ハーフナーはとても良いストライカー。高いボールでも、足元のボールでも前線で起点を作れる。テクニックでは(ADOデンハーグからフェイエノールトへ移籍した)ミヒール・クラマーの方が上だろう。だが、今季フェイエノールトに加入したウインガー、エルジロ・エリアは自分で仕掛けてゴール前に入っていくタイプ。皮肉なことにスハーケンがフェイエノールトからADOデンハーグに移り、ハーフナーの方がウインガーに恵まれている。ADOデンハーグの3トップは強烈だ」
スペインリーグ時代と違ってオランダリーグは日本でのテレビ中継も少なく、日本人ファンからの注目も低くなってしまっただろう。それでもハーフナーは一撃必中のストライカーとして、オランダリーグで復活している。