アザレンカがベスト16に進出 決勝でのセリーナ戦となるか!?

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3回戦では実現しないカード

“台風の目”と目される第20シードのビクトリア・アザレンカが、第11シードのアンジェリーク・ケルバーを破り、4回戦進出を決めた 【写真:ロイター/アフロ】

 テニスのグランドスラム最終戦、全米オープン第6日が現地時間5日、米国・ニューヨークで開催。ここまでの日程が順調に消化され、男女シングルスのベスト16が出そろった。

 女子では“台風の目”と目される第20シードのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)が第11シードのアンジェリーク・ケルバー(ドイツ)をフルセットで破り、2週目に名乗りを挙げた。

 アザレンカは6本目のマッチポイントでようやく決着を付けると天を仰ぎ、十字を2度切って胸をなでおろした。

 2012年、13年に全豪オープンを連覇し、同じ年に続けて全米オープンで準優勝という輝かしい実績の持ち主だ。一方のケルバーにはグランドスラムの優勝こそないが、12年の5位を最高に3年間、トップ10を維持している実力者。本来なら、3回戦で実現するカードではない。ここに現在のアザレンカの難しさがあり、女子テニス界を混乱させてきた理由の一端もある。

ランキングの壁になっていたセリーナ

今季、グランドスラムではセリーナに後塵を拝してきたが、最後の全米では一矢を報いたいところ 【写真:ロイター/アフロ】

 アザレンカは昨年、脚のさまざまな部位を次々に痛め、戦線離脱を強いられた。9大会出場で15勝9敗、6年ぶりにタイトルなしに終わり、ランキングが32位まで下がった。

 ランキングが下がればシード順位も下がり、対戦相手が厳しくなる。大きな大会で一気にポイントを稼ぎたいところだが、それを阻んできたのがセリーナ・ウィリアムズ(米国)だった。

 今年だけで3度対戦した。マドリード3回戦、全仏オープン3回戦、ウィンブルドン準々決勝で当たり、いずれも敗れている。ドローで3度ともセリーナと同じサイドに入ったため、早い段階で当たってしまった。それが、なかなかランキングを戻せない理由であり、この大会でも3回戦で早々に苦しむ理由だった。

 ケルバーを突破して、アザレンカが2週目へ進出したのは大きい。今回のドローはセリーナとは逆側に入ったため、決勝まで対戦することはない。セリーナが大会の最大の話題である年間グランドスラムに突き進んでくれば、アザレンカへの期待も膨らんでくるだろう。

 今年、3敗しているとはいえ、いずれもフルセットにもつれ込んだ接戦だった。全仏、ウィンブルドンでは第1セットを先に奪って女王を震え上がらせた。セリーナとアザレンカという、パワー時代の申し子の頂上対決に大記録がかかるのだから、期待しているファンは多いだろう。アザレンカにとっても、負のスパイラルから抜け出るためにも、セリーナ以前に負けるわけにはいかない。

錦織世代の“第二勢力”が躍進

フェデラーはここまでの失セットがゼロ。好調のまま2週目へと突入する 【写真:ロイター/アフロ】

 男子は、第2シードのロジャー・フェデラー(スイス)が3回戦終了まで失セットゼロで勝ち進むなど好調。ノバック・ジョコビッチ(セルビア)との2強対決に向け着々と駒を進めている。22歳のドミニク・ティエム(オーストリア)、イリ・ベセリ(チェコ)、バーナード・トミッチ(オーストラリア)はそろって敗れたが、ノーシードのドナルド・ヤング(米国)がヴィクトル・トロイキ(セルビア)をフルセットの末に倒して4年ぶりに4回戦に進出した。

 ヤングは米国がジュニア時代から期待してきた26歳。今大会は、錦織圭、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)が早々に敗退したが、錦織を倒したブノワ・ペール(フランス)とともに、錦織世代の“第二勢力”が生き残っている。

文:武田薫
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