堀口恭司「UFC王者が最終目標じゃない」=9.27UFC日本大会で再起戦

WOWOW

いい意味で以前と気持ちは変わっていない

鋭い打撃で王者ジョンソンに迫った堀口だが… 【Zuffa LLC】

――堀口選手は、これまでも負けたり、ちょっと苦戦したりした試合のあとは、すごく修正されてますもんね。

 やっぱり試合をすると、自分の何が足りないのかっていうのがわかるんで。そこはしっかり修正するようにしてますね。

――だから、修斗で唯一の敗戦のあともKO勝ちですし(2012年、上田将勝に判定負けした2カ月後、徹肌ィ郎に1ラウンドKO勝ち)、「VTJ 1st」では初のケージで距離とか難しいのかなと思ったら、2回目からは完全にケージを自分のモノにしてましたよね。

 ケージは最初から結構やりやすかったですけどね。ケージのほうが広いし、リングだとロープからリング外に足が出ちゃったりするんですよ。タックル切っても、ロープが引っかかって取られたりしてたんで。だからケージになったら、「あれ? 楽だな」って(笑)。

――UFCのタイトルマッチも、一度やったら全然違いますか?

 経験値として得るものは大きかったですけど、そこまでタイトルマッチだからすごいとかは、あんまり思ってないんですよ。UFCのチャンピオンが最終目標じゃなくて、チャンピオンというのは、最初のゴールで、チャンピオンになってから、2階級制覇とか、防衛記録とか、自分の中で夢が出てくると思うので。まだまだ、その第1のゴールにも辿り着けてないんで、しっかりやらないといけないなって思ってますね。

――じゃあ、いい意味で気持ちは以前と変わってないわけですね。

 全然変わってないですね。

――空手の師匠である二瓶先生も、タイトルマッチのときはカナダまで来られてましたけど、試合後、何かアドバイスとか、ねぎらいの言葉はかけられましたか?

 アドバイスっていうより、「何やってんだ、おまえは」っていうゲキをいただきましたね(笑)。試合直後だけじゃなく、日本に帰ってきてからもずっとそうですからね。「おまえ、あんとき勝ってりゃなあ〜」「すいません」みたいな(笑)。

――やはり師弟ともども、目指す位置が高いというか。

 やっぱり先生も「獲って当たり前」という考えなんですよ。だから、UFCのベルトを獲らないと、いつまでたっても認めてもらえない(笑)。でも、逆にそう言ってくれる人がいるから、自分はここまできているし。「もっともっと強くならなきゃいけない」って普通に思えるんで、ありがたいですね。

D・ジョンソンに防衛を続けてほしい

――では9月27日の日本大会は、敗戦のあとの再起戦になるわけですけど、再起戦というのは、気持ち的に違ったりしますか?

 まあ前回負けたんで、しっかりと勝ちたいですね。気持ち的にはいつもと変わらないですけど。

――これまで以上に負けられない、大事な試合になるだろうな、という感覚はありませんか?

 もちろん負けられないですけど、そういうことを考えちゃうと、体が動かなくなったりするんですよ。だから、そこはしっかり自分のやることだけやれば、評価とか結果は後からついてくるかなって。そこまで追い詰められてもいないんで、ホント勝つだけっすよ。
――(日本時間の)9月6日には、デメトリアス・ジョンソンの防衛戦がありますけど、この試合は気になりますか?

 いや、特には。どうせチャンピオンが勝つだろうなって(笑)。自分がまた行くまで、普通に防衛続けて待っててほしいなと思いますね。

――戦ってみた感想も含めて、最近のジョンソンの戦いぶりについては、どんな印象がありますか?

 やっぱり試合の組み立てがうまいですよね。相手の嫌なことをやってくる。それを徹底しているから勝ち続けてるんだなって思います。あとは、打撃もレスリングも寝技も全部高いレベルでできるポテンシャルを持っているところがすごいと思いますね。だから、さっきも言いましたけど、自分が実際に試合する前は、映像を見ても「こいつ、超強えな」って思ってたんですよ、ハッキリ言って。でも、やってみたら、「ああ、こんなもんか」って思えたんで、次は全然違う試合になると思います。

自分のスタイルを確かめつつ勝ちたい

ことし4月の堀口戦以来、7度目の防衛戦に挑むUFCフライ級王者デメトリアス・ジョンソン 【(C)Photo Courtesy of UFC】

――すでに、打倒デメトリアス・ジョンソンに向けた練習をしているわけですしね。
 ジョンソンだけのためじゃないですけど、しっかり寝技とレスリングを強化して。あとは自分のスタイルをトータルで指導できるコーチっていないんですよ。これは自分のスタイルだから、自分で考えて、いろんな技術をミックスするしかないんで、それを時間かけて取り組んでますね。

――堀口選手の戦い方は、本当にオリジナルですもんね。では、次の試合は、今取り組んでいることがどれだけ完成しているか、確かめるための試合でもありますか。

 そうですね。試合しないと分からないことっていっぱいあるんで。それを確かめつつ、しっかり勝ちたいですね。

――では、“日本のエース”らしい試合を期待してますよ。

 あ、自分日本のエースなんですか?(笑)。

――UFC王座に日本人で一番近い位置にいるわけですから、もうそういう立場ですよ(笑)。

 じゃあ、よけいしっかり勝たなきゃいけないですね。頑張ります(笑)。

(取材・文:堀江ガンツ/WOWOW UFC解説者)

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★生中継!UFC−究極格闘技− UFC191 in ラスベガス 無敵デメトリアス7度目の防衛戦
今年4月、堀口恭司をサブミッションで撃破した敵なしフライ級チャンピオン、デメトリアス・ジョンソンが登場!2年前に判定で敗れているジョン・ダドソンが再挑戦!
9月6日(日)午前11:00〜[WOWOWプライム]※生中継
ゲスト:水垣偉弥(UFCファイター)

【主な対戦カード】
<フライ級タイトルマッチ>
[王者]デメトリアス・ジョンソン
[挑戦者]ジョン・ダドソン

<ヘビー級>
アンドレイ・アルロフスキー
フランク・ミア

<ライトヘビー級>
アンソニー・ジョンソン
ジミ・マヌワ

<女子ストロー級>
ペイジ・ヴァンザント
アレックス・チェンバース

★『生中継!UFC JAPAN 2015』
4年連続、世界最高峰の総合格闘技が日本上陸!ジョシュ×ネルソンの豪華メインイベントに加え、山本KID、堀口など日本人ファイターの参戦も決定!今年は全試合生中継!
9月27日(日)午前8:30〜[WOWOWライブ]※生中継
ゲスト:玉袋筋太郎(浅草キッド)

<対戦カード>
■メインカード6試合
ヘビー級 ジョシュ・バーネット×ロイ・ネルソン
ミドル級 ゲガール・ムサシ×ユライア・ホール
フライ級 堀口恭司×チコ・ケイミュス
バンタム級 水垣偉弥×ジョージ・ループ
バンタム級 山本“KID”徳郁×マット・ホーバー
フェザー級 Road to UFC:JAPAN 決勝戦

■アンダーカード5試合
フェザー級 菊野克紀×ディエゴ・ブランダオン
ウェルター級 中村K太郎×リー・ジンリャン
ライト級 ニック・ハイン×粕谷優介
ライト級 小谷直之×ケイジャン・ジョンソン
ウェルター級 安西信昌×ロジャー・ザパタ

<関連番組>
★「待ってろ!UFC JAPAN 2015」
【放送日】9月5日(土)深夜2:30ほか ※無料放送

★「3時間生放送!究極格闘技をなめんなよ!」
格闘技でまさかの3時間生放送?!UFC JAPAN 2015の直前に、格闘技大好きが集まり語りまくるスペシャルな3時間。
【放送日】9月24日(木)夜8:00〜[WOWOWプライム]※無料放送

★「UFC JAPAN 2015 直前SP 過去のUFC JAPANを見てから臨め!」
UFC JAPAN 2015の生中継を記念し、過去3年のUFC JAPANの中から厳選した試合を再放送!9月27日の生中継を見る前に必見!
【放送日】9月25日(金)深夜0:00〜[WOWOWライブ]

★「このあと生中継!UFC JAPAN 2015 直前SP」
UFC JAPAN 2015の生中継の直前に、さいたまスーパーアリーナから最新情報と現地の熱狂ぶりを生放送でお届け! 
【放送日】9月27日(日)午前8:00〜[WOWOWプライム]※無料放送

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