全勝の韓国U-18代表は“プロ予備軍” 特徴は「欧米に近い」体格の良さ

室井昌也

攻めの投球と体格の良さが韓国投手陣の特徴

ドラフト1次指名の代表選手6人。左上から、金大鉉、朴世津、崔忠然(以上、投手)。左下から、李ヨン河(投手)、朴俊泳(内野手)、朱暁祥(捕手)。朴俊泳は投手での指名だが、今大会では内野手登録でショートとピッチャーを掛け持ちしている 【ストライク・ゾーン】

「エリート主義」で育った「プロ予備軍」の韓国代表の面々。サムスンから1次指名を受けた右腕、崔忠然は今大会を前にこう話した。

「スイングが鋭く、ミートする能力、バランス、テクニックのすべてのレベルが高い日本の打者に、持ち球の直球とスライダーで勝負したいです」

 また、ktの1次指名、朴世津は「スライダーでコーナーを突く投球に自信がありますが、日本戦では逃げずに積極的な投球を心掛けます」と話した。韓国ではプレースタイルとして、攻めの投球が好まれる傾向がある。とりわけ宿敵の日本戦となればそれは一層強くなるだろう。

 両チームの選手を比較すると、体つきの違いにも目がいく。それぞれの平均身長、体重は日本の177.4センチ、77.85キロに対し、韓国は182.8センチ、80.3キロ。体格の良さも韓国の特徴だ。

 両国の野球選手の体作りについて、サムスンの門倉健投手コーチは以前、「日本では体のキレを重視するが、韓国はパワーを求めて体を大きくしたがる」と違いを話した。またKIAの中村武志バッテリーコーチは「上半身の筋力に頼った体の使い方をする選手が韓国には多い」と話している。「野手で言うと、フットワークよりもハンドリングを重視した動きが目立つ」とSKの清家政和2軍監督は言い、「日本と同じアジア人だけど、韓国は欧米の選手に近いのではないか」と清家2軍監督は見ている。

 今大会で6度目の優勝を目指す韓国と、地元初開催で初優勝を狙う日本。4日の対戦では両者の熱戦を期待するとともに、それぞれの置かれた環境やプレースタイルの違いなどを比較しながら見るのも興味深いだろう。

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著者プロフィール

1972年東京生まれ。「韓国プロ野球の伝え手」として、2004年から著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』を毎年発行。韓国では2006年からスポーツ朝鮮のコラムニストとして韓国語でコラムを担当し、その他、取材成果や韓国球界とのつながりはメディアや日本の球団などでも反映されている。また編著書『沖縄の路線バス おでかけガイドブック』は2023年4月に「第9回沖縄書店大賞・沖縄部門大賞」を受賞した。ストライク・ゾーン代表。

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