ズームエアがアスリートを速くする!? 南井正弘のイチオシ!

南井正弘

【南井正弘】

日本人アスリートから評判の高いナイキのズームエア

 一口にナイキエアと言っても現在ではさまざまなバリエーションがラインアップされている。一般的なナイキエア以外にも最大のエア容量を誇り、最高のクッション性を目指したマックスエアを始めとしてスポーツの種類やアスリートのタイプ、体重にあわせて最適なエアユニットをセレクトすることができるのだ。

 そんななかでも、日本人アスリートから評判の高いのがズームエアである。ナイキのズームエアは通常のエアユニットよりも内部の圧力を高め、薄型に仕上げたナイキエアのバリエーション。ユニット内部には上下を結びつけた繊維が張り巡らされており、着地時にエアユニットが変形するのと同じく、この繊維も変形したのちに素早く元のかたちに戻ろうとする。これにより比類なき反発性とレスポンス(反応)の速さを発揮するのである。

 日本ではどちらかいうと体重の軽いアスリートが多く、足裏感覚も重要視することから、ズームエアは1995年の登場以来、特に人気のエアユニットとなってきた。そんなズームエア搭載の今夏モデルを実際に履いて、その履き心地をレビューしてみた。

ナイキ エア ズーム エリート8

【南井正弘】

柔軟で足にフィットしやすいメッシュ素材と、しっかりと足にフィットしてサポート性を高めるナイキフライワイヤーをミックスすることで、フィッティング性能が大幅に向上 【南井正弘】

  今シーズン発表されたズームエア搭載モデルで最も軽量な1足。基本デザインは昨年発表された「エア ズーム エリート7」を継承するが、アッパー(甲の部分全体の総称)構造をフルモデルチェンジ。柔軟で足にフィットしやすいメッシュ素材としっかりと足にフィットし、サポート性を高めるナイキフライワイヤーをミックス。前作よりも確実にフィッティング性能が向上している。

 ズームエアは前足部に内蔵されているので、中足部から前足部で着地するランナーに向いている。実際に走ってみると、まずその軽さを感じ、ズームエア独自の高い反発性を感じる。また足裏感覚をしっかりと感じられる構造は、自分の脚力を路面へと着実に伝達していることを体感することができる。

 徐々にスピードを上げてkm/4分40秒のペースまで持っていったときの、自然とスピードに乗れる感覚はズームエア搭載モデルならではで、この程度のスピードには十分に対応する。「エア ズーム エリート8」は、中級ランナーのトレーニングやレース用にピッタリのランニングシューズであるが、かかと部分にはズームエアを含むクッショニングテクノロジーは搭載されていない。よって、“ヒールストライカー”と呼ばれる、かかとから着地するランナーで、ズームエア搭載モデルを履きたい場合は、後述する「エア ズーム ペガサス32」を選んだ方がよいだろう。またラスト(木型)は若干細めなので、足幅の広いランナーには残念ながらオススメできない。
■ナイキ エア ズーム エリート8
12,500円(税抜)。男性用・女性用ともに4色展開。
お問い合わせ:ナイキ カスタマーサービス 0120-6453-77

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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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