ズームエアがアスリートを速くする!? 南井正弘のイチオシ!

南井正弘

ナイキ エア ズーム ペガサス32

【南井正弘】

前作からアッパー素材を変更。柔軟なメッシュ素材の使用でフィッティング性能がアップ。カジュアルシーンにも対応できる洗練されたデザインも嬉しい 【南井正弘】

 ナイキのペガサスシリーズは今作で第32弾となるロングセラー。着地時に脚が極端に内側に倒れこむことをオーバープロネーションといい、ケガの原因の1つとされるが、同シリーズはその心配のない、ニュートラルな着地のランナーに向く1足である。

 このモデルはズームエアをかかと部分に搭載しており、足裏全体でフラットに着地するランナーや、かかとから着地するランナーに最適。実際に走ってみると「エア ズーム エリート7」よりもミッドソール(アウトソールとアッパーとの間のソール)の厚みがあり、足の保護性能はこちらの方があることがすぐに分かる。もちろんズームエア独自の反発性能も感じられるが、足に優しい着地感覚で、この走り心地なら「これから走り始めたい!」というビギナーランナーにも向くだろう。

 いつも通り6kmを走ったところ、初めて足を入れたシューズとは思えないほどシューズと足の一体感を感じられた。これには柔軟なアッパー素材と中足部に配されたナイキフライワイヤーが大きく貢献している。そして今回のモデルチェンジで感じたのが、写真のグレーカラーを筆頭に街履き用途に使用してもよいくらいスタイリッシュな雰囲気に仕上がっているということ。このデザインならランニングシーンだけでなく、カジュアルシーンでも活躍するので、コストパフォーマンスは相当に高い。
■ナイキ エア ズーム ペガサス32
11,000円(税抜)。男性用4色、女性用5色展開。

ナイキ ズーム ハイパークロスTR2

【南井正弘】

前足部から中足部にかけて内蔵された六角形のズームエアは高い反発性と屈曲性を両立 【南井正弘】

 ランニングという動作は基本的に前後の直線運動だが、トレーニングシューズには前後だけでなく左右の動きに対応することも要求される。そんなトレーニングシューズやバスケットボールシューズのために、ナイキは六角形の新たな形状のズームエアを開発している。

 この新形状のズームエアを搭載した「ズーム ハイパークロスTR2」は、スポーツジムにおけるマシントレーニング、フリーウェイト、ダンスエクササイズ……といったあらゆるアクティビティに対応すべくサポート性に優れたアッパーとアウトソールを装備。これに新開発の六角形のズームエアが見事にマッチし、着用者の求める衝撃吸収性と反発性を提供するのである。

 実際に履いてスポーツジムの各アクティビティを行ってみた。まず脚部に負荷を与えるレッグプレスのマシンで使ってみると、ランニングシューズではアッパーのサポート性が不足して、足型がくっきりと見えるほどに変形してしまうが、アッパーの強度が高くサポート性能も優れた「ズーム ハイパークロスTR2」ならその心配はなく、しっかりと足の力をマシンへと伝えてくれる。

 また薄手で六角形の採用により屈曲性がアップした新型のズームエアは足裏の感覚も高いので、効率的に脚部を鍛えることができると感じた。このサポート性の高さとズームエアの優れた反発性能は、ダンス系のエクササイズでも威力を発揮。着用者の意思をクイックに伝達することができる。さらに、ゆっくりとしたペースならランニングにも対応するので、この「ズーム ハイパークロスTR2」はスポーツジムを拠点にさまざまなアクティビティに参加したいというユーザーにピッタリの1足ということができるだろう。
■ナイキ ズーム ハイパークロスTR2
13,000円(税抜)。男性用2色展開。

 このように今シーズン発表されたズームエア搭載モデル3足を実際に履いてみて、「速さ」「反発性」といったこのコレクションならではの特徴をしっかりと体感することができた。これまでも数多くのズームエア搭載モデルを履いてきたが、着実に進化を遂げていることを確認できた。

 ズームエアコレクションは今回紹介したコレクション以外にも、いくつかのモデルがラインナップされており、例えばランナーなら「ナイキ エア ズーム オデッセイ」、「エア ズーム ストラクチャー19」、「エア ズーム ボメロ10」といったモデルもランニングスタイルによってセレクトすることも可能だ。オーバープロネーションの有無や求めるクッショニング性能のレベルに応じてベストな1足を選びたい。

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著者プロフィール

フリージャーナリスト。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツブランドのプロダクト担当として10年勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズを得意分野とし、『フイナム』『日経トレンディネット』『グッズプレス』『モノマガジン』をはじめとしたウェブ媒体、雑誌で執筆活動を行う。ほぼ毎日のランニングを欠かさず、ランニングギアに特化したムック『Runners Pulse』の編集長も務める

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