女子フィギュア界に現れた13歳の新星 青木祐奈が演じる“真央プログラム”

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今季のFSは浅田がソチで演じたあの曲

――プログラムについても聞かせてください。昨季の『幻想即興曲』と今季の『タイスの瞑想曲』とショートプログラム(SP)は、しっとりした曲が多いですね。

 プログラムの曲は先生が全部決めてくれています。私もきれいな曲が好きで、「これはどうですか?」って言ったりするんですけど、全部却下されちゃうんです(笑)。でも、いつも成功しているので、先生の言うことを聞いてます。

――振り付けはどなたに見てもらっているのですか?

 振り付けは都築奈加子先生です。普段見てもらっているのは都築章一郎先生なんですけど、曲は私に合うものを2人で決めてくれています。

今季のSP『タイスの瞑想曲』はすでにアイスショーでもお披露目されている 【写真:築田純/アフロスポーツ】

――SPは「ドリーム・オン・アイス」でも披露していましたが、今季のFSはどの曲で滑るのですか?

 実は、まだどこにも言っていないんですけど、浅田真央選手がソチ五輪で踊った『ピアノ協奏曲第2番』です。

――おぉ、あの(セルゲイ・)ラフマニノフの曲を! それを滑ることについてはどう思っていますか?

「なんでこの曲なの?」って(笑)。先生が選んでくれたんですけど、すごく真央ちゃんのイメージがついている曲なので大丈夫かなって。先生からは「SPが静かな曲だから、FSは強い曲にした」と聞いています。本当に心配になっちゃったんですけど、滑っているときは楽しく滑れるので良かったのかなと今では思っています。

――ソチ五輪での浅田選手の演技は素晴らしかったですよね。

 本当に感動しちゃって。ノーミスでジャンプを全部決めて、それに表現も最後まですごかったので泣いちゃいました。あの曲で滑っていいのかなってやっぱり心配です(笑)。構成も一応決まっているんですけど、けっこう難しい内容になっているので。

「大きい会場の方が緊張しない」

――そのFSを初披露するのはいつごろになりそうですか?

 試合がまだ決まっていないので分からないんですけど、関東サマートロフィーかアジアンオープントロフィーのどちらかだと思います。両方とも8月でちょうど時期が重なっているので、どちらに出るかまだ決まってない感じです。

――メディアで取り上げられたりもしていますが、ファンから声をかけられたりしませんか?

 普段はないんですけど、アイスショーとかに出たりすると「青木祐奈ちゃんだ!」とか「頑張ってね」って言われます。それはすごくうれしいです。

メディアで取り上げられるようになり、ファンから声をかけられることも増えた 【スポーツナビ】

――試合やアイスショーで滑るときはあまり緊張しない方ですか?

 試合は全然緊張しないんですけど、ショーではすごく緊張しちゃいます(苦笑)。試合も小さいころは少し緊張していたんですけど、大きい大会に出てるうちに楽しくなってきちゃって。大きい会場の方が緊張しないです。お客さんが見ている方がリラックスできる感じがします。

――それはすごい。緊張したときの自分なりのほぐし方なんかはありますか?

 動くことと、音楽を聴くこと。音楽を聴きながら動いているのが一番いいです。

――アイスショーでは日本や海外のトップ選手とも共演していますね。彼らから学んだことはありますか?

 海外も日本もそうなんですけど、五輪に出たことがある選手はアップとかをものすごく真剣にじっくり時間をかけてやっているので、そういうところはまねしたいと思います。今まで私は、先生に言われたことをやっているだけという感じで、自分で工夫したことはあまりなかったんです。でもトップの選手を見ていて、自分なりのことをどんどんやってるなと思って。私もそうしていかないといけないなと思います。

――具体的に取り入れたことは?

 走ったりする前のストレッチです。もっと時間をかけてゆっくり伸ばすということをまねしてます。

――なるほど。今季からはジュニアに進みますが、目標はどこに置いていますか?

 大きい目標としては全日本ジュニアで自分のベストの演技をすることです。そのためには関東ブロックから頑張りたいなと思っています。

(取材・文:大橋護良/スポーツナビ)

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