四国IL初となる北米武者修行の意味 選手の眼に感じた、人としての成長

四国IL、北米遠征の記録〜ダイジェスト動画〜


(映像提供:四国アイランドリーグplus)

6勝10敗も狙いは的中

対戦チームは「(セ・パの)2軍と同等レベル」(中島輝士監督)。中には「1軍レベル」の強豪チームとの対戦もあった(写真は香川オリーブガイナーズの川崎貴弘) 【山田次郎】

 では、結果はどうであったのか。結論から言えば、私たちの狙いは、とりあえず、的中したと感じている。
 最終戦が雨で中止となったため、公式戦は全16試合となったが、戦績は6勝10敗と負け越した。
 相手選手の体格とパワーに圧倒されるような試合もあった。思うような結果を出せなかった選手もいる。例外なく、全ての選手が、相手チーム、相手選手のどこかに“未知のすごさ”や“これまで体験したことのない厳しさ”を感じたに違いない。

 しかし、全体としてみれば、IL選抜の選手たちは、慣れない環境に徐々に適応し、連戦で疲れが溜まってくる中でも集中力を切らすことなく、よく戦い抜いた。少なくとも、選手たちは、厳しい試合を続ける中で、それぞれ、自分の持ち味や課題を発見することができたに違いない。

 自身も現役時代、ソウル五輪など数多くの国際試合を経験し、引退後も台湾プロ野球・統一で監督を務めた経験のあるIL選抜の中島輝士監督は、キャンナムリーグのレベルを以下のように評している。
「キャンナムリーグの各球団は、総じて言えば、いわゆるNPBの2軍と同等かそれ以上のレベルだった。特に、4試合を戦って1勝もできなかったロックランド・ボールダーズは、(NPBの)1軍と比べてもそん色のない強いチームだった」

疲労などの表情とともに感じる選手の成長

北米遠征で得た経験をもとに、選手たちは後期リーグ戦、そして、さらなる高みへの挑戦を続ける 【山田次郎】

 日本では誤解されがちだが、米国では、独立リーグがマイナーリーグを含めたメジャーリーグの組織の“下”にあると考えている者は誰一人いない。米国の独立リーグは、レベルに応じてメジャーリーグの組織の“横”に寄り添い、相互に流動性を持った関係を築いているのである。

 マイナーリーグの2Aクラスに相当すると言われているキャンナムリーグにも、元メジャーリーガーはもちろんのこと、キューバ代表、オランダ代表、コロンビア代表、カナダ代表などに選ばれた世界各国の主力選手が当たり前のように在籍している。
 こうしたことを考えれば、今回の北米遠征において、IL選抜がいかによく戦い抜き、また、数々の学びを得ることになったか、実感できたであろう。

「私たちは、IL選抜の戦いぶりに心の底から敬意を表します。私たちが勝ち越す結果とはなりましたが、IL選抜が負けた試合も接戦が多かったですし、何よりも、ハツラツとしたプレーの数々に大きな感銘を受け、たくさんのことを学ばせてもらいました。例外なく、全てのチームがIL選抜を賞賛し、IL選抜がスタジアムにもたらしてくれた興奮に感謝しています」

 これは、全日程終了後の、キャンナムリーグ・コミッショナーであるマイルス・ウルフ氏の言葉である。

 7月1日。成田空港に降り立った選手たちの表情には、連戦を戦い抜いた安堵(あんど)と疲労の色がにじみ出ていた。しかし、真っ黒に日焼けした肌と目の輝きに、出発した時とは比べものにならない逞しさを感じたのは、気のせいではないはずだ。

 選手たちが、今回の北米遠征で得られた経験を生かせる舞台は、7月のオープン戦や交流戦、8月に再開する後期日程のリーグ戦と数多く用意されている。あとは自分たちが何を考え、どう行動するかに懸かっている。

 名もなきサムライたちの武者修行は、まだまだ終わらない。

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著者プロフィール

1973年、神奈川県横須賀市生まれ。東京大学法学部を卒業。企業関係法務全般と弁護士として活動後、2011年2月より、独立リーグ・四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスの球団代表に就任。現在、弁護士業務は休業し、球団経営に専念している。また、13年8月より、徳島県教育委員会・教育委員も勤め、15年1月より、一般社団法人日本独立リーグ野球機構・事務局長にも就任するなど、活動の幅を広げている。

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