状況が一変したヘルタ・ベルリンでの苦悩 細貝萌が語る成長と葛藤の1年<前編>
後輩、原口元気の加入について
浦和の後輩である原口(右)について、まだまだ苦戦しているものの成長を感じているという 【Bongarts/Getty Images】
浦和(レッズ)でもチームメートでしたし、いろいろと助けてあげないといけないと思います。彼が結果を出しているのもすごくうれしいことですから、うまくサポートしてあげたいです。実際に彼は代表に入って点を取り、すごく流れが良いと思います。今度はその流れを維持して、それに負けないように自分もしっかりやっていきたいですね。
――原口選手がドイツに適応できている印象はありますか?
まだまだ苦戦していると思いますし、これからですね。試合にもっと長く出場し、シーズンを過ごしていくことで次第に覚えていくと思います。
――1シーズン経験して、原口選手のどんなところに成長を感じますか?
最初は当然苦戦していましたけれど、後半戦はある程度の出場機会を得ました。得点はなかなか挙げることはできなかったですけれど(1得点)、人として成長することで選手としても成長できていると思うし、海外で生活することで強くなったり、うまくなっていると思います。
けがの詳細と当時の思い
けがをした当時の状況を語る細貝。現在は成長した出来事だったと捉えている 【スポーツナビ】
皮膚の湿疹が原因で、足の一部が裂けてしまいました。そこから菌が入って炎症を起こしたという感じです。足首をひねったとか、練習中のけがではないんですよね。そういう症状だったのでまったく練習ができませんでしたし、そのときは足が痛くて地面につけませんでした。
だから相変わらずけがらしいけがはしていないんです。湿疹っていうのはケアして防げるものではないですしね。もともと肌は強くないのですが、湿疹の原因も自分の立場が一気に変わったことで思うことがたくさんあって、ストレスなどもあったんだと思います。そのときは苦しかったです。それだけ追い込まれていたんだなって自分でも思いましたね。
――出場機会がないときはネガティブな気分になりませんでしたか?
やばいと思ったことは何度もありますし、物に当たりたくなったときもありました。いつもよりストレスを感じていたし、実際に湿疹もすごかったですから。練習が終わっても足が痛いんです。湿疹で裂けちゃって。当然シャワーなんて浴びたらいろんなところが染みる。ストレスはしょうがないですけれど皮膚科に行ってまたチームとやり取りして、また皮膚科に行って。それの繰り返しでした。
――今までにもそうした症状が出たことはありますか?
浦和から移籍するときに若干あったんです。多分メンタル的に強くないんだと思うんです。そういうのを乗り越えることができていたら、またよかったと思います。
――入院していた時期をブログで「神様が与えてくれた時間」と表現しています。どんなことを考えていましたか?
ブログに書いた通りです。あの時間は重要だったし、その時は悔しかったですけれど、自分にとってはすごく成長した出来事です。今は乗り越えられたと思っていますし、オフを挟んでいるので、リフレッシュもできたと思います。
<後編に続く>
(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)