宝塚記念◎もう一度だけワンアンド=乗峯栄一の「競馬巴投げ!第100回」

乗峯栄一

牝馬で勝ったのはスイープトウショウだけ

[写真5]ラキシスはスイープトウショウ以来の牝馬Vを決めることはできるか 【写真:乗峯栄一】

 とりあえず、今週は栗東トレセン坂路上、定点観測地点で、うまくほとんどの関西馬が撮れたので、写真説明からいく。

[写真1]は横綱ゴールドシップ。ただ今週は、天皇賞週に比べると「別の馬か」と思うほど大人しかった。ほんと、天皇賞週はひっくり返るんじゃないかと心配したほどだったが。この静かさはいいことなのか、どうなのか。鞍上横山典弘。

[写真2]はワンアンドオンリー。ハープスターが苦しんだドバイのレースで、ちょっとした粘りを見せた。「ダービー馬の力量はあなどった頃に蘇る」という自作格言はあるのだが。鞍上ミルコ・デムーロ。

[写真3]は去年の宝塚記念2着、今年春の天皇賞3着のカレンミロティック。鞍上は蛯名正義のように思う。

[写真4]は菊花賞勝利以来8カ月ぶり出走のトーホウジャッカル。想定以上に強い馬だとは思うが、この間隔で勝ったりするのか。鞍上酒井学。

[写真5]は昨秋エ女王杯を勝ち、前走はキズナを押さえたラキシス。スイープトウショウのイメージが強いから、牝馬もけっこう勝っているかと思ったが、調べたらスイープ以外の牝馬勝利はないようだ。どうだろう。

[写真6]は前走鳴尾記念の勝ち方がよかったラブリーデイ。角居勢が牝馬3頭なのに対して、池江勢は牡馬3頭の正攻法の様相だ。

橋口ラストイヤーをダービー馬復活で

[写真6]ラブリーデイは前走鳴尾記念の勝ち方が良かった 【写真:乗峯栄一】

 で、予想なのだが、ミルコ・デムーロの、追い切り後、横の赤木高太郎に言った言葉が耳に残っている。「左、重いねえ」だ。日本競馬所属になってからの、デムーロ、ルメールの日本語習得速度は凄い。特にミルコ・デムーロはもうモンゴル人力士のレベルはいっている。

 え? 左、重い? 左脚の具合でも悪いのかと思ったが、「坂路の左側のウッドチップは重い」という意味らしかった。ワンアンドは、赤木の馬がよれて左に寄ってきたので、坂路の左側に寄るしかなかったようだ。以前、橋口調教師に「調教の極意って何ですか」と聞いたら「やりすぎないこと」と即座に答えがあった。

 目一杯追うことは簡単、押さえることは難しいという意味のようだ。ワンアンドの坂路タイムは大したことはないが、あれでいいんだと思う。橋口ラストイヤーをダービー馬復活で飾って欲しい。

 単ワンアンド(7)。三連単(7)頭固定、ヒモに(15)ゴールド、(11)ヌーヴォ、(16)ラブリー、(13)ラキシス、(6)デニム、(14)トーホウの6頭、計30点でいく。

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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