平泳ぎのエース小関が狙う「世界新で金」 自由形から転向した経緯と覚醒の理由

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北島が成し遂げてきたものを引き継ぎたい

共にミキハウスに所属する立石諒(左)とはお互いに切磋琢磨する関係 【スポーツナビ】

 平泳ぎへの転向後、小関はさまざまな泳ぎを研究するようになったという。理想の泳ぎを追い求める中で、ライバルたちや家族など、さまざまな人たちから刺激をもらっている。

――泳ぎの細かな調整はどうやっているのですか?

 泳ぎはいろんな映像を見て、どれがいいのかを比較します。僕が一番参考にしていたのが北島選手の映像なので、原点はそこに戻ってきます。いろんな方の映像を見て、最後に北島さんの映像を見るとやはりかなり違うのが分かります。

――どのあたりが一番違うのでしょうか?

 体の浮き方が違いますね。沈んでいるとすべるようには泳げないのですが、北島さんは全然違います。浮きまくっているというか(笑)。やっぱり違うんだなというのを分かった上で、日頃の練習をしています。

 北島さんと泳ぐ機会はこれまで全然なかったので、北島さんが現役続行を決めたと聞いたときはかなりうれしかったです。ずっと尊敬している人なので、北島さんが成し遂げてきたものを僕が引き継ぎたいなという気持ちがあります。

――所属するミキハウスにも平泳ぎを泳ぐ選手がたくさんいます。彼らから学んだことはありますか?

 一番身近に立石(諒)選手がいますし、世界選手権には2人とも代表で行きます。同じミキハウスですごくうれしいですし、お互い切磋琢磨(せっさたくま)しています。

――立石選手から学んだのはどんなことでしょうか?

 レースに向かっていく上での気持ちの作り方ですかね。急にスイッチが入って顔つきが変わるというか、集中モードに入るのが明らかに分かるんです。そういうオンとオフの切り替えをうまくやりたいですね。僕もだいぶはっきりとできるようになりました。

「世界新を出しての金メダルを」

世界選手権では世界新を出しての金メダルを目指す 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

――レースに入り込めるようになったのは最近ですか?

 去年パンパシフィック選手権の代表になってからですね。日本代表にもなり、責任感が強く持てるようになりました。責任感が持てるとモチベーションが変わってきますね。

――世界選手権に向けて、どんな調整をして臨みたいですか?

 レース前は自分の疲労を抜くことと、感覚を研ぎすますことを意識しています。今まで積み上げてきたものを信じて臨むようにしていますね。

――開催地のロシアを訪れたことはありますか?

 大学4年のときにユニバーシアードでロシアのカザンに行きました。そこで初めて国際大会を経験し、100メートルで初めて金メダルが取れましたし、メドレーリレーでも銀メダルが取れました。(今回の会場であるカザン・アリーナは)一度行ったことのあるプールなので、なつかしいなという感じです。

――あらためて世界選手権での目標を教えてください。

 世界新を出しての金メダルが目標です。ご声援をよろしくお願いいたします。

(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)

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