みのるが素顔の谷口を下しV2に成功 裏切り者・高山がジャーマンで挑戦表明

高木裕美
 15日のプロレスリング・ノア「三沢光晴メモリアルツアー2015」大阪府立体育会館第二競技場大会では、メインイベントでGHCヘビー級選手権試合が開催され、満員となる900人の観衆を集めた。“王様”鈴木みのるがマイバッハ谷口を退けV2に成功すると、かつての盟友であった“帝王”高山善廣が次の挑戦者に名乗りを上げた。

自らマスクを脱ぎ捨てた谷口に大声援

 9日の鈴木軍興行では、みのるが谷口のマスクを破り捨てた直後に、谷口が毒霧で反撃。まさかのバッドエンドを迎えたが、この日もみのるは序盤から谷口のマスクに手をかけると、何と谷口は自らマスクを脱ぎ捨て、ペイントされた素顔に変身。かつて三沢さんが90年5月14日、東京体育館で2代目タイガーマスクの仮面を脱ぎ捨てた時のような衝撃に、客席からは大きなどよめきと「谷口」コールが沸き起こる。
 谷口は鬼気迫る表情でみのるにテーブルクラッシュを決めると、己の肉体ひとつで勝負に出るが、必殺のマイバッハプレスが決まった直後、鈴木軍のセコンドがレフェリーを場外へ連れ出してカウントを阻止。無法地帯となったリングで、みのるがチョークスリーパーでガッチリと捕獲すると、イスを2度も振り下ろし、さらにイスの上へのゴッチ式パイルドライバーで粉砕した。

プロレス界に王と名がつく人間は2人いらない

「てめえらの宝はオレたちの手の中にある」と勝ち誇るみのるの前に、かつての盟友・高山が現れ、挑発的に上から見下ろすと、エルボーからの投げっぱなしエベレストジャーマンスープレックスで宣戦布告。右手に装着した緑のリストバンドを突き上げ、「おまえら、そのベルト、よーく磨いとけよ。オレが行くぞ。ノーフィアー!」と絶叫してみせた。

 みのるは高山を「鈴木軍をクビにした裏切り者」「行くあてのないデカイホウキ」「時代遅れ」とこき下ろすと、「プロレス界に王と名がつく人間は2人いらない。王は鈴木みのるだけでいい。次のいけにえはおまえだ。オレの前にひざまずけ。オレの前にひれ伏せ」と、帝王を地べたに這いつくばらせ、かつてない屈辱を与えると言い放った。

 一方、高山は「オレが出て来るのが一番嫌なんじゃないの」とニヤリ。「三沢さんとあのベルトをコケにされた。許せない。あれ以上、あのベルトを汚されたくない」と、亡き恩人・三沢さんへの深い感謝と、初代王座を三沢さんと争い、第4代王者として自分も腰に巻いた至宝への思い入れを激白。「今のアイツはオンボロのおもちゃをたくさん持ってるけど、叩きつぶせばいい」と鈴木軍ごと壊滅させるという意気込みを激白した。

三沢さんのまな弟子・丸藤と杉浦が激しいエルボー合戦

 セミファイナルでは、三沢光晴メモリアルマッチとして、丸藤正道&齋藤彰俊組vs.杉浦貴&高山善廣組が対戦。三沢さんのまな弟子であった丸藤と、三沢さんと共に新日本の東京ドーム大会に乗り込んだ経験もある杉浦が、序盤から激しいエルボー、チョップを打ち合えば、三沢さんの最後の対戦相手であった齋藤と、三沢さんと初代GHCヘビー級王座を争った高山はローキック合戦を展開。最後は高山がランニング式のヒザ蹴りで齋藤を仕留めた。

 4日後のGHCタッグ王座前哨戦として、ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.&シェルトン・ベンジャミン&タイチ組vs.クリス・ヒーロー&マイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト&ジャック・ギャンブル組が対戦。19日の後楽園ホールでKESに挑むヒーローが、溢れる気迫を見せ付けるも、鈴木軍の牙城は崩せず。キャリアの浅いウェブに、ベンジャミンのキック、KESのキラーボムからタイチがタイチ式外道クラッチで勝利。王座防衛へ盤石の自信を見せ付けた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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