日本勢はトヨタ7位最高、日産リタイアも=ル・マン24時間レース中間総括
漫画でも描かれたスタートシーン
スタート前のグリッドには多くのゲストやスタッフが合流。クルマは“ル・マン式”に並べられ、スタートを迎える 【田口浩次】
きっと多くの人はレーススタートからチェッカーまでの24時間に注目しているだろうが、実はスタート2時間以上前にグリッドはオープンになり、多くのゲストやチームスタッフがグリッドへと出て行く。その人数は本当に多く、F1などで流れているグリッドシーンとは桁違いの人の数。そしてマシンが“ル・マン式”(グランドスタンドを向くようにマシンを一列に並べるスタイル)に並べられていく。
開始1時間後、最初のポイントはクラッシュ
前年総合王者のトヨタは予選で出遅れ、7番、8番手からスタート。決勝での逆転を狙う 【写真提供:トヨタ】
スタートから約30分ほどで、トップチームを含め各車徐々にピットイン。トップからの順位は変わらないものの、ここからは24時間レースならではのさまざまな外的要因が発生していく。その最初のポイントとなったのが、レベリオン・レーシングによるクラッシュ。スタートから1時間強が過ぎたところで、13号車のレベリオン・レーシングが接触でコースアウトした。この影響でセーフティカーが入り、ポルシェはそれまでのリードを失った。
そしてスタートから約1時間20分でレースは再開。ここでアウディが仕掛けた。日本のレースでは中嶋一貴のチームメートとして、トムスでスーパーフォーミュラを戦う、7号車のアンドレ・ロッテラーが前を行く2台のポルシェを次々にオーバーテイクしてトップに立った。その後、7号車はピットインでトップを譲るが、会場のオーロラビジョンに流れる映像と、それを伝える現地解説は興奮しながら、その激しいバトルを伝えていた。
スタートから1時間半以上が経ち、普通のレースならば1レースが終わっているほどの距離を走るも、トップチームたちの争いは24時間レースということを一切感じさせないほどに激しく競い合っていて、その雰囲気はすごく特殊な感じだ。
というのも、チームはレースを戦っているが、ドライバーは3人体制のチームが多く、ひとりのドライバーが約3時間近くを走行するため、他の2人のドライバーは最大で6時間ほど休憩がある。気が張り詰めてはいけないのだろう、ドライバーはチームのホスピタリティテントでゲストたちと談笑しながらレースを観戦しているのだ。
こうした雰囲気もまた、他のレースではなかなかあり得ない、ル・マン24時間レースならでは、だ。