巨人2軍に見る“プロ野球のリアル” 辻、和田、岡本…生き残る選手は誰だ?
次世代三塁手争いは和田vs.岡本
となると、待っているのは2014年ドラフト1位ルーキー・岡本和真とのガチンコポジション争いだ。岡本は高校通算73本塁打のスラッガー。最近の巨人では珍しい一芸に秀でたドラ1高卒野手。誰もが期待せずにはいられない18歳の逸材だが、新人合同自主トレでは腰の張りでリタイア。イースタン・リーグ開幕直後にも腰の違和感を訴え、1カ月近く戦線離脱している。高校時代から腰に不安があり、まずは故障しない身体づくりからといった段階である。高校時代は一塁手だったが、首脳陣は三塁手として育てることを明言。「和田vs.岡本」。この2人の10代の争いについて岡崎郁2軍監督が興味深い発言をしている。
「和田や岡本が2人とも1軍に行って、2人とも中軸を打てれば素晴らしいと思います。しかし、そんなに甘い世界じゃない。この2人に関しては、2人のうちの1人しか生き残れないという覚悟の中で、どちらが勝つかという指導をしています。もちろん、その結果として2人とも順調に育ってくれればそれが一番いいと思います。ただ『2人ともがんばれ』と言うのが通用する世界ではありません。チャンスは平等に与えています。でも、1軍に行くための席は1つしかない場合がほとんどです」(『ヤングアニマル』11号、岡崎2軍監督インタビューより)
これこそプロ野球のリアル。全員がハッピーなんてありえない。誰かが昇格すれば、代わりに誰かが降格する。まさに生きるか死ぬかの生存競争。毎年のように敢行される戦力補強。闘うべき相手は次から次へとやってくる。
生き残るのは誰か? 今日もジャイアンツ球場では、辻東倫、和田恋、岡本和真の巨人軍「新闘魂三銃士」たちが己の野球人生を懸け、汗と泥にまみれている。