W杯を作りあげる2019組織委員会 動き出した日本大会の計画と期待
地方でも日本代表の試合を開催
本田氏は「東京のみで日本戦を開催することはない」と組織委員会としての方針を示した 【スポーツナビ】
――日本には02年のサッカーW杯の経験があると思いますが。
コンスタントに(サッカー界と)交流があるわけではないですけれど、コンタクトポイントがあってつながっています。今までの例でいくと、開催都市を選定するにあたって「開催都市になったらこういうものを備えていただきたい」という情報を一つにまとめたことがあります。そのとき、『スタジアムに求める条件』などを考えていく中で、どういうような情報の出し方をしていったらいいのかということも含めて、日本サッカー協会さんからはいろいろなアドバイスをいただいたことがあります。今でも何かおうかがいしたいことがあれば、コンタクトをとって適切な人を紹介していただいてお話をする。そういう状況にはあります。
――19年の日本開催が決まったのはとても前ですが、これまでは何をされていたのですか?
我慢していました。大々的に活動はできないんです。やりたくなるのはやりたくなるんですけれど、我慢していました。いかに溜めてドンといくか。
今はラグビーW杯といえば15年ですから、そういう面での制約もありますし。あまり早くやっても仕方ないというのもあります。
――圧倒的に広告宣伝不足だと思いますが、予算がないのでしょうか?
本当にその通りで、チケットセールスがほとんどの収入源です。チケットの売り上げが入ってくる時期というのは18年〜19年にかけてです。なので今はできる範囲のことをやるしかないですし、今やりたいと思ったらかなり工夫をしてやっていかないとならない状況にあります。
――ファンの声を生かす方策は考えていますか?
それはもういっぱい考えています。これからSNSなどでの露出も活発になっていくと思いますので、双方向の声を聞いていきたいというのもあります。マーケティング部はいろいろと考えています。
――日本代表の試合を全国に散らすという案もあるのですか?
今まで私たちが社内で考えてきた方針と照らすと、東京のみで日本戦を開催することはないです。五輪との大きな違いは開催地が東京だけではないことですので、東京以外のところでも日本代表の試合を行う、というのが私の予想です。
1000円代のチケットも!?
現行のラグビーW杯のビジネスモデル、言葉を変えると、われわれが19年大会の開催に対して結んでいる契約では、われわれに全く商業権はないです。スポンサー料をもらって、私たちの収入にすることはできないです。
例えば、スタジアムは全部クリーンにしないといけないです。クリーンというのはネーミングライツなどを含めて(常設の広告看板なども)外したりマスクしないといけないということです。
――ボランティアの募集はいつ頃から開始しますか?
これも確たることは言えませんが、18年あたりだと思います。実際にボランティアの方にお仕事をしてもらう時期は大会中なので、あまり前からは募集しません。
余談ですけれど、スコットランドからメールが来たりします。ボランティアに対する思いが強い方がいらっしゃって、こういう大会には欠かせないですよね。
――ボランティアだけではなく、通訳など有料の方もいるのか?
そうですね。例えばチームに付くリエゾンとかは、組織委員会の方針にもよりますが、少しプロフェッショナル志向でいくとなると、有償で協力してもらいます。
――その募集も開催直前?
いいえ。例えば、予選の組み合わせ抽選は仮に15年大会のスケジュールを仮定すると、(日本大会は)16年の暮れです。17年の春に試合日程の発表をすると、各チームの試合会場が分かり、日本にチームが来て試合する場所や練習する場所を見て回ります。そういう時期になってくるとリエゾンは必要です。
19年大会に出場する20チームのうち12チームは、今年の秋の大会で決まります。そのチームは試合日程が決まればすぐに見に来ると思います。
――チケットを一人でたくさん買うことは可能ですか?
可能だと思います。私もニュージーランド大会で一人で複数枚買いましたよ。
――1試合に対する制限はあるかもしれないけれど、複数試合買うことはいい?
そうですね。
――チケットの値段はどれぐらいのイメージですか?
まだわからないですけれど、イングランド大会の決勝戦の一番良い席は10万円くらいです。一番良い席が1万円台の試合もあると思います。カテゴリー(座席のランク)を落としていけば2000円代のチケットも売り出されていました。
子ども向けの1000円台のチケットも用意されていました。
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協力:(公財)日本ラグビーフットボール協会