代表選考の「チーム貢献度」に注目 体操・NHK杯見どころ

日本体操協会:遠藤幸一

NHK杯で8位以内に入った選手も選ばれる

NHK杯で8位以内に入った選手が、代表選考で有利になる。ゆかの「スペシャリスト」でもある白井健三(日本体育大学)も、上位に食い込んでおきたいところだ 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 残り3名は、対象となる選手全員を組み合わせて行う。その対象者は、内村とNHK杯で決まる2選手を除くNHK杯出場選手(種目別出場者を含む)及び全日本種目別決勝出場選手である。

 こうして6−3−3制のチーム得点を算出し、もっとも高いチーム得点となった組合せの3名を代表選手とするのである。ただし、1つ条件があり、その組み合わせの3選手のうち、必ず1名はNHK杯8位以内の選手であること。

 チーム得点算出のための組合せがたくさんあるため、手作業では代表選考争いを把握することはできない。何よりも全日本種目別決勝が終わるまではチーム得点の算出計算が徒労に終わる可能性が高いため、現時点での注目点としては、誰がNHK杯で2枠ある代表の座を勝ち取るのか、そして8位以内までに入っているのかの2点になる。

女子はまれに見る混戦

女子は近年まれに見る混戦。代表候補の筆頭は全日本個人総合覇者の寺本明日香 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 一方、女子の選考方法は単純で、このNHK杯において個人総合順位により5名が決まる。代表争いに関しては近年まれにみる混戦で非常に興味深い。

 持ち点で55点を上回っている選手は寺本明日香(中京大学/レジックスポーツ)、内山由綺(スマイル体操クラブ)、杉原愛子(梅花高等学校)、笹田夏実(日本体育大学)、鶴見虹子(日本体育大学)、湯元さくら(中京大学/ならわ体操クラブ)、宮川紗江(セインツ体操クラブ)。残りの1枠もNHK杯個人総合12位以内という枠付けがあるため、今回のNHK杯は見逃せない。

 男女ともに、まずは世界選手権で団体予選8位以内に入り、リオデジャネイロ五輪での団体出場権を早々に決めることを一つの目標としている。ファンの方には、引き続き熱い応援をお願いしたい。

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著者プロフィール

1961年東京生まれ。日本体操協会常務理事・総務委員長。体操の金メダリストである父親を持つものの、小学、中学はサッカーに明け暮れていた。高校で体操に転身。国際ルールのイラストレーターとして世界中の体操関係者にその名を知られている。

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