35歳・菅原が世界バンタム級王座奪取 斎藤が中村を破って環太平洋ライト級王者に=修斗

長谷川亮

35歳で修斗世界バンタム級王座を奪取した菅原雅顕 【長谷川亮】

 プロフェッショナル修斗公式戦「MOBSTYLES 15th Anniversary TOUR FIGHT & MOSH」が3日、東京・後楽園ホールで開催された。
 メインイベントは王者・神酒龍一に菅原雅顕が挑む世界バンタム級(56.7kg)チャンピオンシップ。2005年7月の初対決では菅原が勝利、第2戦となった2009年11月は神酒がリベンジと、10年を掛け行われてきた両者の対戦ストーリーは、世界王座を懸けこの日決着戦が行われることとなった。

10年越しの因縁マッチを制した菅原

神酒との10年かけてのラバーマッチを制し因縁に決着 【長谷川亮】

 ともに打撃を中心に試合を組み立てる両者、神酒はその中にタックルを織り交ぜテイクダウンを奪っていくが、菅原は倒されても短い時間で立ち上がり、神酒に有効な攻めを許さない。
 幾度もタックルを繰り出す神酒だが、菅原にその度に立たれることで体力を消耗し、3R中盤からややペースダウン。
 しかし神酒は立ち位置の巧みなポジショニングを見せ、菅原がストレートからパンチで迫らんとしても決定打を与えず、ラウンド最後には印象よくテイクダウンを奪っていく。
 試合は5Rをフルに戦っての判定となり、48‐48、49-47、49-48と判定2-0で決着戦は菅原に凱歌。ちょうどデビューから10年、連敗に見舞われるなど苦しい時期もあった菅原だが35歳でのうれしいベルト奪取となった。

中村ジュニアは初防衛ならず

中村ジュニアを判定で下し環太平洋ライト級王座を奪取した斎藤 【長谷川亮】

 またセミファイナルでは環太平洋ライト級(65.8kg)チャンピオンシップが行われ、今年1月に宇野薫を撃破し王者となった中村ジュニア(中村好史から改名)が、戴冠後初のファイトで早くも初防衛戦を迎えることとなった。

 宇野戦で見せた豊富なスタミナと圧力を活かしたノンストップファイトで防衛は堅いかに思われた中村だが、ここまで12戦9勝1敗2分と、わずか1敗で進んできた挑戦者の斎藤裕は、距離を作って中村が入ってくるところに右ストレート、左フックの強打を合わせ、かと思えば飛び出してのテンカオ(相手をつかまずに放つヒザ蹴り)でボディーを襲う。

 これに対し勢いのあるタックルでテイクダウンを奪わんとする中村だがその度に切られてしまい、2Rにはスタンドで右クロスを効かされ、グラウンドでもパンチからスリーパーを狙われ斎藤に追い込まれる。
 ようやく最終3Rに足払いでテイクダウンを奪った中村だが、ここも程なく斎藤に立たれてしまい、再び投げを見舞うと斎藤が上を制して試合を終了。

 30-27、29-28、30-26の判定3-0で斎藤が勝利し、中村は初防衛戦で王座陥落。勝利した斎藤は「次戦う時は世界のベルトを掛けて再戦したいと思います」と中村にメッセージを送った。

 そのほか、環太平洋フェザー級王者・根津優太は昨年宇野薫と激闘したラージャ・シッペンを撃破、猿丸ジュンジは世界フライ級1位の飛鳥拳を初回KOに下して世界王者・内藤のび太へ挑戦の流れを作り、リオン武は判定勝利を上げ、5連敗と長かったトンネルを脱した。

 大会の全試合結果は以下の通り。

■プロフェッショナル修斗公式戦「MOBSTYLES 15th Anniversary TOUR FIGHT & MOSH」
5月3日(日)東京・後楽園ホール

<第9試合 メインイベント 修斗世界バンタム級(56.7kg)チャンピオンシップ 5分5R>
[挑戦者]○菅原雅顕(四街道スポーツスタジオ/世界2位)
(判定2−0)
[王者]●神酒龍一(CAVE)
※48−48、49−47、49−48
※菅原が新王者に就く

<第8試合 セミファイナル 修斗環太平洋ライト級(65.8kg)チャンピオンシップ 5分3R>
[挑戦者]○斎藤裕(パラエストラ小岩/同級1位)
(判定3−0)
[王者]●中村ジュニア(マッハ道場)
※30−27、29−28、30−26
※斎藤が新王者に就く

<第7試合 フェザー級(61.2kg)5分3R>
○根津優太(和術慧舟会東京道場/環太平洋王者)
(判定3−0)
●ラージャ・シッペン(米国)
※30−28、30−27、29−28

<第6試合 フライ級(52.2kg)5分3R>
○猿丸ジュンジ(シューティングジム横浜/世界4位)
(1R2分00秒 KO)
●飛鳥拳(パラエストラ松戸/世界1位)

<第5試合 バンタム級(56.7kg) 5分3R>
△マモル(シューティングジム横浜/元フェザー級&バンタム級世界王者)
△ランボー宏輔(パラエストラ千葉/世界4位)
※30−27(マモル)、29−29、29−28(ランボー)

<第4試合 ライト級(65.8kg)5分3R>
○リオン武(ライジングサン/元世界王者)
(判定3−0)
●佐々木郁矢(T−pleasure)
※30−27、29−28、30−27

<第3試合 フェザー級(61.2kg)5分3R>
○佐藤将光(坂口道場/パンクラス・バンタム級5位)
(1R1分40秒 KO)
●土屋大喜(roots/元環太平洋ライト級王者)

<第2試合 ライト級(65.8kg)5分2R>
○高橋遼伍(KRAZY BEE)
(1R1分12秒 KO)
●三上譲治(修斗GYM東京)

<第1試合 インフィニティリーグ2015公式戦 フェザー級(61.2kg)5分2R>

○小蒼卓也(スカーフィスト)
(1R1分43秒 チョークスリーパー)
●誠(K’Z FACTORY)
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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