際立つ高木勇人、調整続く有原と安楽 開幕1カ月、新人選手たちの通信簿

ベースボール・タイムズ

奮闘する野間、倉本ら即戦力の野手たち

開幕スタメンは逃したものの、外野の定位置をつかみつつある広島・野間 【写真は共同】

 一方、新人野手では、広島ドラフト1位の野間峻祥(中部学院大)がレギュラーとして奮闘中だ。開幕戦こそ代走からの途中出場だったが、3戦目の3月29日の東京ヤクルト戦(マツダ)に「1番・右翼」でプロ初スタメンを果たすと、第1打席、第2打席と連続ヒットを放って勝利に貢献。さらに4月2日のDeNA戦(横浜)で初タイムリーを含む猛打賞の活躍を見せ、4月19日の中日戦(マツダ)では新人一番乗りでプロ初本塁打を放った。ここまで19試合に出場、チーム4番目に多い60打席に立ち、打率2割4分6厘、1本塁打、5打点、1盗塁。緒方孝市監督の秘蔵っ子として、守備、走塁面でも貢献しており、今後のさらなる活躍が期待される。

 同じく新人ながらレギュラーを張るのが、社会人ナンバー1遊撃手としてDeNAにドラフト3位で入団した倉本寿彦(日本新薬)だ。定評のあった守備に加え、オープン戦ではバッティングでも結果を残し、球団として44年ぶりの新人遊撃手の開幕スタメンを務めた。ここまで21試合に出場して打率1割6分7厘と苦しんではいるが、自分を見失わずに継続することが最も重要だろう。

 その他、楽天の福田将儀(中央大)が16試合、千葉ロッテの中村奨吾(早稲田大)が12試合、オリックス・西野真弘(JR東日本)が11試合に出場。阪神・江越大賀(駒沢大)、中日・井領雅貴(JX−ENEOS)、友永翔太(日本通運)、DeNA・山下幸輝(国学院大)、楽天・フェルナンド(白鴎大)が1軍デビューを果たしている。

高卒は高橋光成、小野、飯塚が2軍で好成績

 高卒ルーキーたちはどうだろうか。前述の安楽とともに、将来のエースとして期待されている西武のドラフト1位・高橋光成(前橋育英高)は、イースタン5試合21イニングを投げて、1勝1敗、防御率2.14。すでに最速154キロを記録するとともに、イニング数を上回る22奪三振を記録。球団はファームでじっくり育てる方針だが、早期の1軍デビューへの期待は日に日に高まっている。

 楽天・ドラフト2位入団の小野郁(西日本短大付高)への評価も高い。もともと、潜在能力の高さを各方面から称賛されていたが、ここまでイースタン6試合で19回と3分の2を投げ、2勝0敗、防御率2.75と結果を残している。それ以上に評価急上昇中の高卒ルーキーが、DeNAの飯塚悟史(日本文理高)だ。ドラフト7位入団ながら、身長1メートル86の長身から完成度の高いピッチングを繰り広げ、ここまでイースタン4試合14イニングを投げて、1勝0敗、防御率0.64の好成績を残している。

 高卒野手では、巨人のドラフト1位・岡本和真(智弁和歌山高)への注目度が高いが、ここまでイースタン10試合で29打数9安打の打率3割1分0厘、0本塁打、2打点。期待の“初アーチ”は、まだ。その岡本よりも先に、日本ハム・浅間大基(横浜高)、太田賢吾(川越工高)、清水優心(九州国際大学付属高)、ロッテ・香月一也(大阪桐蔭高)、脇本直人(高崎健康福祉大学高崎高)、ヤクルト・山川晃司(福岡工業大付属城東高)が初アーチを記録。浅間はここまで26試合に出場し、113打数36安打の打率3割1分9厘、2本塁打、19打点。香月は22試合出場で71打数19安打の打率2割6分8厘で、1本塁打、5打点。ともに急成長中だ。

 今後、高卒では福岡ソフトバンク・松本裕樹(盛岡大付高)、大卒ではロッテ・田中英祐(京都大)、社会人からは阪神・横山雄哉(新日鉄住金鹿島)、中日・野村亮介(三菱日立パワーシステムズ横浜)、ヤクルト・竹下真吾(ヤマハ)らにも注目したいところ。開幕から1カ月、他の一般の社会人同様、そろそろ“職場”にも慣れたころだろう。大きな夢を抱いたルーキーたちの、フレッシュな活躍に期待したい。

(文:三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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