エピファは賭け失敗 ハープは距離再考を 奥野庸介のドバイワールドカップデー回顧

JRA-VAN

UAEダービー

UAEダービーにおける日本馬トリオは、ゴールデンバローズの3着が最高位となった 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 ゲートを勢いよく飛び出したタップザット、ゴールデンバローズ、ディアドムスの日本馬トリオが主導権を握って最初のコーナーに飛び込んだ。2コーナーに差し掛かる地点でサーフィーヴァーとディアドムスが接触。R.ムーア騎乗で有力候補に挙げられていたゴールデンバローズもスローペースに頭を上げて、折り合いを欠く場面が見られた。

 先を争う馬たちを見て、内ラチ沿い5番手追走のムブタヒージにとっては絶好の展開になった。内タップザット、外ゴールデンバローズが雁行して直線に向いたあたりでは日本馬初勝利が一瞬、脳裏に浮かんだが、残り300メートルでC.スミヨン騎手のムブタヒージのエンジンがかかると、ライバルは脇役に霞んだ。あっという間に後続を突き放し、ゴールでは2着のマフトゥールに8馬身差という圧勝。M.デコック厩舎は、このレース6勝目を飾った。

日本馬が勝つならコース慣れが必要

 一にも二にも勝ったムブタヒージが強すぎた。ゴールデンバローズが3着、タップザット5着、ディアドムスは8着。ウルグアイ最強馬サーフィーヴァーはアクシデントもあって、6着に終わった。勝ったムブタヒージはG1ドバイWCの覇者プリンスビショップと同じドバウィ産駒。今年に入って、サウジアラビアやカタールなど中東競馬国で大爆発したドバウィ旋風が、ここでも威力を発揮した。この勝利で出走資格を得たムブタヒージは米国で5月に行われるG1ケンタッキーダービーに向かうことが濃厚になっている。これまでG2UAEダービー優勝からの挑戦に成功例はないが、この馬ならやれるのではないかと思わせる高素質馬である。

 日本馬はこれだけの戦力を持ってしても厚い壁を崩すことができなかった。ヒヤシンスSのレベルが相当高かったことは事実だ。一部で言われている「距離」が問題とするなら、東京競馬場の2100メートル戦を選考レースとしてスタミナを試すのも一考だ。しかし、メイダンのダートで力を発揮するには、実際に競馬を使うことが一番。勝ったムブタヒージは昨年の大晦日からメイダンで5戦4勝。本番と同じ舞台のアルバスタキヤでサーフィーヴァーを下すなど「圧勝」の下地を固めてきた。日本の若きダート馬は、これからもレベルアップするはず。可能なら早い段階から、このコースに慣れておくべきだろう。

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