栄冠へエピファ◎、ハープvs.香港最強馬=奥野庸介のドバイWCデー展望
ドバイワールドカップ
4年ぶり日本馬Vへ、エピファネイアが勝負駆け! 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
しかし、昨年の世界ランキングで2位となったエピファネイアの潜在能力を軽く見る訳にはいかない。年明けから使われているメイダンのダートコースは逃げ先行有利で続いており、勝ち馬には強いペースに耐えてライバルを振り落とすだけのパワーが求められる。エピファネイアには初ダートという高い壁が待ち受けるが、父はフェブラリーSの覇者サクセスブロッケンを出しており、米チャンピオンサイアーに輝いたクリスエスの血も騒ぐ。AW(オールウェザー)初体験のヴィクトワールピサで世界をあっと言わせた角居師が、早くからドバイWC参戦を表明してブレなかったことに加え、鞍上に再びC.スミヨンが戻る。
米ケンタッキーダービー馬カリフォルニアクロームには一抹の不安も…… 【photo by Tomoya "J" Moriuchi】
AWとダートでの2連覇に王手をかけるアフリカンストーリーはここが21戦目。去勢馬で加齢はそう気にする必要はなさそうだが、内ぴったりからドンピシャのタイミングで抜け出した昨年の競馬が再現できるか。
川崎記念のホッコータルマエは自力勝負で追い込んだカゼノコをおさえ、メイダンの予行演習を済ませた。昨年のようなことはないだろう。AWのドバイワールドカップで3度着外に沈んでいるプリンスビショップもアフリカンストーリーと同じ8歳馬。マクトゥームチャレンジR3は後方から脚を計っての2着。これまで芝やAWを中心にやってきたが、ダートは想像した以上に動く。
◎エピファネイア
〇カリフォルニアクローム
▲アフリカンストーリー
☆ホッコータルマエ
△プリンスビショップ
ドバイシーマクラシック
ハープスターは昨年のジェンティルドンナに続くか 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
ポイントは春の競馬であることと長い直線にある。前者のフィルターを通して加点されるのは、今年に入って使われつつ良化傾向を示すデザインズオンローマとハープスター、後者の要素を追い風にするのはフリントシャー、ワンアンドオンリー、それに米国に移ってG1・4連勝を含む重賞5連勝中のメインシークエンスか。
昨年のジェンティルドンナを見るとおり、このカテゴリーでの日本馬の水準の高さは誰もが認めている。凱旋門賞やキングジョージと言った、それぞれの大目標に向けて、確かな手応えを掴んでおきたい。
香港最強デザインズオンローマはハープスターと実力互角! 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
ダービー以降、冴えないワンアンドオンリーだが、左回りの長い直線なら巻き返して不思議はない。メインシークエンスは欧州時代に英ダービー2着の実績はあるが、勝ったキャメロットから5馬身遅れ。相手に恵まれた米国競馬ならいざ知らず、世界レベルでの闘いとなると、これまでのようには行かないかも知れない。香港ヴァーズの完勝で凱旋門賞2着、BCターフ2着の鬱憤を晴らしたフリントシャーも差はないが、体質的に秋に向けて上昇するタイプのような気がしている。
◎デザインズオンローマ
〇ハープスター
▲ワンアンドオンリー
☆メインシークエンス
△フリントシャー