ドバイWCダート変更は有利か、不利か――エピファネイアが秘める馬場適性

JRA-VAN

エピファネイア、血統背景は問題なし

 そして、無限の可能性を秘めているのがエピファネイアだろう。同馬は元々、菊花賞馬ということで知名度も高かったが、昨年はジャパンCで世界ランキング1位のジャスタウェイに4馬身もの差をつけて快勝したことからさらに評価はアップ。現在の日本競馬界を牽引している1頭と言っても過言でない。そして今回、彼の最大の課題となるのは先でも述べているダートへの適応だ。なにせ、ここまでダートでのレースは1度も経験していないからだ。

 ただ、血統背景から見るとダートは問題ない。父・シンボリクリスエスは自身もダート経験は無かったものの生粋のアメリカ血統。父の父であるクリスエスは芝・ダート問わず活躍馬を輩出している。そこへ母父にヨーロッパ血統が入り、さらには80年代のアメリカの名馬・サンデーサイレンスの血筋が入ったシーザリオが母となればダートで走らない方が不自然だ。むしろ、血統的には芝、ダート問わずと言った方が正確だろう。これはまさにスピードが生かされる現在のドバイのダートは大歓迎ということで、逆に無限の可能性を秘めていることになる。JCで手綱を取ったC.スミヨン騎手とのコンビ再結成も魅力の一つだ。現在のところカリフォルニアクロームが最有力馬とされているが、日本馬にも十分にチャンスがある。4年ぶりのドバイWC制覇に期待したい。

(photo & text by Kazuhiro Kuramoto)

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