自己ベストを出すなら全力で走らない!? 大会距離別の最適なレースプランとは

青山剛

レースプラン次第で距離は短く感じる!?

【青山剛】

 分かりやすい例として、最近の国内マラソンエリート大会では、30キロまで「ペースランナー」がキロ3分で一定ペースを刻みます。その後、ペースランナーが離脱してからは、まさに「ヨーイドン!」のようにレースが動いていく。これも記録をある程度狙えるように考えられた方法で、世界的に見ても多くの大会で採用されています。

 また、さまざまな距離の世界記録や日本記録が生まれた時のペース配分を分析しても、前半にたくさんの貯金をして後半落ちていくパターンより、前半よりも後半にペースアップしていったパターンが圧倒的に多いようですので、参考にしましょう。
 そして、大会の総距離だけをザックリの目標にして走るより、こういったレースプランを決めておくと、初心者〜初級者ほど大会中に“距離が短く感じる”という現象が表れます。登山でいえば「何合目は何時くらいに通過」と予定しておいたほうが、早く快適に登頂できることと同じです。

 せっかく忙しい中トレーニングをコツコツ行ってきたのですから、極力その成果をすべて発揮できるように、走る前にレースプランを立てて大会に臨みましょう!

参考資料:「青山剛のスイッチ・ランニング(高橋書店)」(1月5日発売)
初心者〜初級者が正しい手順でランニングを上達していけるメソッドが満載です。

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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