原専務理事「現状はまだ告発されただけ」 アギーレの八百長疑惑について状況説明

スポーツナビ

状況に応じて対応していくことになる

原専務理事(右)とともに、JFA顧問弁護士の三好氏が会見に臨んだ 【スポーツナビ】

――三好弁護士に質問。先日は推移を見守っていくと言っていたが、告発をされた今、何か進展はあるのか?

三好 以前にも申し上げたとおり、進捗を見守っていく。そして必要な対応をしていくことが非常に重要だと思います。15日に告発されたわけですが、まだ受理をしたわけではない。受理がなされて正式な捜査がなされていくわけです。私としては、告発がなされたので、まずはアギーレ監督に再度のヒアリングを行いました。それから、スペインの顧問弁護士、スペインの刑事に強い弁護士とコンタクトを取って、さらに正確な情報を集めていく段取りをしています。

――ヒアリングの内容はどんなことを聞いていて、アギーレ監督は何と答えているのか?

三好 ヒアリングの中身については報道されている事実、それから告発されている事実を含めて質問しています。ヒアリングの内容については今後、正式な捜査がはじまる可能性があるわけなので、私が答えるのは差し控えたいと思います。

――チームワークや結果に影響が出ないか心配ではないのか?

 監督は、選手はもちろんサポーターや日本のサッカー関係者に対して、こういった問題が起きてしまい申し訳ないと。自分がサッカーの世界に入ってやってきた中でこういった事態に巻き込まれたことは一回もないし、残念でしょうがないというコメントはしています。その中で、協会が払拭(ふっしょく)しなければならないのは、選手が不安に思う部分もあると思いますので、落ち着かせてあげることが大事だと思いますし、彼自身も申し訳ないという気持ちでいる。アジアカップに向けてしっかり準備していくと言っていました。

三好 現状はアジアカップでアギーレ監督に指揮を取ってもらう。この方針を変えるだけの状況になっていない。現時点で我々として八百長を示す証拠を発見できているわけではないし、変更する事態に至っていないわけです。いろいろ状況が変わっていくと思いますので、状況に応じて対応していくということになるのだと思います。

――状況が変わればアジアカップ前に決定が変わる可能性もあるのか?

三好 「はい」というと誤解を招くので答えにくいのですが、さまざまな可能性を考えて、対応できるよう準備をしていかなければならないということです。

 現状の中では、まだ何も変えるべきではないということです。まずは情報を集めることを一番最初にやらなければならないということです。

アギーレはやるべきことをやっている

――三好弁護士に質問。告発後、アギーレ監督に話を聞いたのはいつなのか?

三好 ヒアリングをしたのは昨日です。前回のヒアリングと同様に、八百長には関与していないという話をしていました。

――原専務理事に質問。アギーレ監督から、選手たちに何か質問をする場を設ける予定はあるのか?

 海外にいる選手もいますし、Jリーグの選手はオフですから、(29日の)国内合宿で集まったときですかね。監督からではなく、おそらく霜田(正浩)技術委員長を中心に、各クラブであったりが現状をしっかり説明することが重要だと思います。

――アギーレ監督自身が説明をする機会はないのか?

 それも考えていますが、タイミングであったり内容が難しい。それは必ず、しかるべきタイミングでは必要だと思います。彼もその気持ちはありますが、状況を踏まえて慎重にやりたいと思います。

――時間が経てば経つほど、イメージは悪くなるし、良いことはないのではないか?

 どうなるかまったく分からないなかで、彼はやるべきことをやっています。人前に出るとその話題ばかりになってしまうので、タイミングは考えなければならない。アギーレ監督自身は必要であれば、説明をする準備はいつでもあると言っているし、決して逃げているわけではない。

――最悪の場合も想定してると思うが、アギーレ監督に解任の可能性も話しているのか?

 本人は否定しているわけですから、仮定の話は普通しないと思います。それは現段階で彼に伝えることに何もメリットを感じません。しっかり連絡をとって今後進めていくことが重要だと思います。

――8月の就任前に身辺調査をきちんとしなかったのか? それとも調査してもなにもなかったのか?

 今回の件は2011年の疑惑です。その後、普通に試合をやっている。この話題が出たのは今年の10月です。それまではまったく出ていない。それまでに調べて分かっていたかと言われれば、現在もプレーしている選手たちがいるように、そこまでは出ていなかったです。

告発の受理だけでは関与したことにならない

――原専務理事、アジアカップの方針は分かったが、大会前に告発が受理された場合、あらためて何かを検討するポイントになるのか?

 その判断をするためにも、受理されてからスペインではどうなるのか。また過去にこういったことがあったとすれば、どういう頻度で向こうに行かなければならないのか、またどういう交渉ができるのか。情報を集めていますけれど、現地の司法に詳しい人や彼の代理人も含めて向こうの情報を集めて、できるだけ早く(対応したい)。

三好 補足させていただくと、日本における起訴とは違います。日本の場合、起訴されると99.9パーセント有罪になりますが、告発が受理された場合は「今から正式に捜査がはじまる」ということです。受理がなされたとしても、それが有罪というわけではないわけです。そこから捜査がはじまって、嫌疑が十分だとなれば起訴ということになると思います。告発が受理されただけでは、彼が事件に関与したという事実にはならないと今の時点では私は思っています。そういったものを含めて今はスペインの刑事専門の弁護士、アギーレ監督の弁護士とも直接話をする必要はあると思います。

――裁判が長期間続いた場合の対応は?

 まだどうなるか分からないです。告発が受理されて、予備捜査がはじまる。それからどうなるか分からないですけれど、いろんな情報は集めます。ですが「ずっと続いた場合どうする?」と聞かれても答えられないですね。受理されないかもしれないし。いろんな情報を踏まえて判断していくということが、協会としてやるべきことだと思っています。

――アギーレ監督との契約年数は1年なのか2年なのか4年を前提としたものなのか?

 契約内容に関しては言えません。(アルベルト・)ザッケローニ監督の時も、言っていません。いろんなところで「2年じゃないのか」とか言われていますけれど、そこに関しては言ってはいないし、内容に関してはお互いいろいろあるので言えないです。

三好 契約内容には守秘義務が入っていて、開示することができないことになっています。

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