下位に沈むヘルタで戦う2人の日本人 変わらぬ細貝への信頼と原口への期待
良いスタートを切った原口だったが……
良いスタートを切った原口だったが肩を負傷。試合から離れた時期もあった 【Bongarts/Getty Images】
左ウィングのポジションで、この23歳は自慢のドリブルとスピードで力を誇示した。マイン氏も「本当に良い印象を残したね」と認め、「彼のことは高く評価しているんだ」と続けた。確かに香川真司ではないが、ヘルタにスピードという大きな武器をもたらしている。「ヘルタにとって、あのポジションにおける格別の存在になり得る」と話すマイン氏に、ベッカー氏が付け加える。「ヘルタにおける時間を、原口はうまくスタートさせ、チームに新鮮な空気をもたらしたね」
早くもブンデスリーガの開幕戦から、原口はアシストを記録した。だが、その後に肩を負傷して試合から離れた時期もあった。「肩を痛めた後、うまく復帰するのに問題を抱えていた」とベッカー氏は振り返る。ヴァレンティン・シュトッカーやアニス・ベン=ハティラ、さらにニコ・シュルツも加えたチーム内競争は厳しいものとなっている。
問題はディフェンスとアウェーでの戦い方
先週末のハノーファー戦で先発に復帰した原口。苦しいチームを救うことができるか 【Bongarts/Getty Images】
解決策を探るルフカイ監督は、「一丸となってチームを再び良い状態に戻したい」と話している。「内部(のメンバー)で追いつくことが肝要で、長期的に見ればそれこそが結果につながる」とオランダ人指揮官は考えている。
クラブは「ブンデスリーガで再び立場を確立したい。これは1シーズンだけのタスクではなく、継続していくべき重要なプロセスなのだ」とスポーツディレクターのプリーツは語る。細貝と原口は、そのプロセスに見合う2選手である。ただし、ヘルタが必要としているのは、悲劇の壁を破壊する明るい光を差し込むことなのだ。
(翻訳:杉山孝)