大病乗り越えたジャッカル最速の菊花賞V ワンアンドオンリー敗因は展開と枠順か

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デビューからわずか149日での快挙

デビューからわずか149日、トーホウジャッカルが最速で菊花賞を制した 【スポーツナビ】

 JRA3歳クラシック最後の一冠、第75回GI菊花賞が26日、伝統の京都競馬場3000メートル芝を舞台に争われ、酒井学騎乗の3番人気トーホウジャッカル(牡3=栗東・谷厩舎、父スペシャルウィーク)が優勝した。好位イン追走から直線入り口で早々と先頭に躍り出ると、そのまま後続を封じ込めV。デビューからわずか149日でのビッグタイトル獲得となった。勝ちタイム3分1秒0は、2006年にソングオブウインドがマークした3分2秒7を1秒7も上回るレコードタイム。

 トーホウジャッカルは今回の勝利でJRA通算7戦3勝、重賞は初勝利。騎乗した酒井、同馬を管理した谷潔調教師ともにうれしい菊花賞初勝利となった。

 一方、横山典弘が騎乗した1番人気のダービー馬・ワンアンドオンリー(牡3=栗東・橋口厩舎)は直線伸びず9着敗戦。二冠はならなかった。なお、1着から半馬身差の2着に蛯名正義騎乗の4番人気サウンズオブアーズ(牡3=栗東・藤岡健厩舎)、さらに3馬身半差の3着には吉田隼人騎乗の7番人気ゴールドアクター(牡3=美浦・中川厩舎)が入った。

生死をさまよった2歳夏、奇跡的な菊花賞制覇

デビュー当初から、酒井学は「走る馬」と潜在能力を感じ取っていたという 【スポーツナビ】

 厩舎を開業して、今年がちょうど20年目。節目の年に初のGIタイトルを手にした谷調教師は、何度も“信じられない”といった言葉を口にした。
「まだ夢のような感じです。トーホウジャッカルが菊花賞に出られるだけで最高と思っていたので、もう嬉しいを通り越して何が何だか分からないですね」
 トレーナーのこの喜びは、初のGI勝利が伝統あるクラシックだったから、ということももちろんなのだが、それ以上にトーホウジャッカル自身の奇跡的な頑張りが何より大きい。それというのも、トーホウジャッカルがデビューしたのは、ワンアンドオンリーが勝ったダービー前日の5月31日だったのだ。

「2歳の夏に腸炎になり、一時は競走馬になれるかどうかというぐらい大変な状態でした。クラシック登録もしませんでしたし、当然、菊花賞なんて考えられる状況ではなかったです」

 生死をさまようほどの病気を患った昨年の夏。そこから驚異的な回復を見せ、今年3月に入厩し、5月31日の京都未勝利戦でようやくデビューにこぎつけた。翌日には世代トップホースたちが競馬界最高の栄誉をかけた戦いを繰り広げた中、トーホウジャッカルのデビュー戦は18頭立て10着。このとき、誰がその5カ月後に菊花賞を勝つなんて想像できただろうか?

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