JBA深津会長が辞任「責任全うできず」 リーグ統一問題進まず、自ら申し出

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辞任を発表したJBAの深津会長。会見では「責任を全うできなかった」と理由を説明した 【スポーツナビ】

 日本バスケットボール協会(JBA)は23日、都内で会見を開き、深津泰彦会長の辞任を発表した。同会長は辞任の理由について、国際バスケット連盟(FIBA)から要請されていたNBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)とbjリーグの統一問題を挙げ、「回答期限である10月末までに十分な方向性を示せなかったため、責任を取った」と説明。「一刻も早く新体制に移行して問題解決に取り組むことが重要」と、危機感を示した。

 FIBAは今年春に、NBLとbjリーグを統合する新リーグの発足を、JBAに要請。それに加えJBAの組織改革や、代表チームの強化についての具体的な方向性を10月末までに示すよう求めていた。それが成されなかった場合には、「FIBAがJBAに対して制裁を科す」という踏み込んだ姿勢が示されており、制裁が科されれば、女子・年代別代表も含めたすべてのカテゴリーで、国際試合への参加が禁じられることになる。

 同会長はFIBAからの制裁について、受ける可能性があることを言及しながら、「選手への影響が最小限となるように、新体制で1日も早く解除されるように努力する」ことを誓った。

 以下は会見の要旨。

「残り1週間で合意する目処は立っていない」

 本日のJBA臨時理事会におきまして、会長の任を辞することを申し出、退任することになりました。昨年末よりJBAは、FIBAから「JBAのガバナンスの確立」「男子日本代表チームの強化」「2リーグ並存状況の解消」という3点について、本年10月末までに明確な方向性を示すように、強い指摘を受けてきました。特にリーグの統一については、NBLとbjリーグが手を携えたプロバスケットボールリーグの確立が長年の課題でありました。

 本年6月、JBAとNBL、bjリーグの3者が統一リーグ設立に向けて話し合いをスタートさせ、関係者間で集中的かつ精力的に話し合いを行ってきました。一連の協議では企業チームもリーグをプロ化することには賛同し、リーグ構造の草案作成に至りましたが、現時点で新リーグへの参加要件、また新リーグが立ち上がったときに、新リーグとbjリーグとの関係について、いまだ最終的な合意がなされていません。

 10月末という期限が切られており、残り1週間となりました。残り1週間で合意する目処は立っておりません。十分な方向性を示せなかったということで、JBAの会長である私の責任です。関係者間で現在も前向きに協議が続けられています。JBA、そして日本のバスケットボール界がより前進していくために、一刻も早く新体制に移行することが重要と考え、本日辞意を表明しましたことを皆さんにご理解いただければと思います。本日、私が辞任することで皆さんや日本バスケットボール界に多大な迷惑をかけることを心からお詫び申し上げる次第でございます。

――決断に至った理由は、FIBAからの制裁を避けられなくなったことが一番の理由か?

 FIBAからの指摘もありました。先ほどの3点について、10月末までに方向性を示すことを内外に約束し進めてまいりました。「JBAのガバナンス」「男子日本代表の強化」の問題については、現在進行形と言いますか、継続的な課題として報告することでFIBAの了解も得られると私は思っています。リーグの統合問題については、10月末までに何としてでも両リーグ間で合意を作ることを目指してやってきましたが、その協議の結果、残り1週間の時点で、合意が成されていないということは私の責任を全うできなかったということで、私が責任を取ることが次のステップにいち早く移れると考え、決断に至りました。

――今後の組織委員会で、次のステップはどのような形で踏まれるのか?

 草案もできていますし、かなりの部分が詰まってきています。継続協議していくことで、最終的に成り立つと思っています。そのために大きく枠組みを変えるかはこれからの話になりますが、関係者間で協議していくことになると思います。

――10月末までには間に合わないが、今後も続けていくと?

 10月末というのはFIBAへの回答期限でして、私どもは新リーグへの移行日程について、参加要件を年内までに詰め、来年3月までに参加募集をかけ、2016年に新リーグを立ち上げるという大日程があります。それに向けて協議を続けていくつもりです。

――新体制はどうなるのか?

 会長代行が必要になると思うので、私が退任したあとの理事会で協議をされていると思います。(その後、丸尾充副会長が会長代行となることが決定)

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