山ごはんの楽しみをご紹介 四角友里のゼロからの山歩き 第4回

四角友里

【写真提供:四角友里】

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 秋の訪れを感じ、ワクワクする季節となりました。秋の山歩きの魅力は、なんといっても紅葉ですが、“食欲の秋”も見逃せません! (表紙写真は大菩薩峠・福ちゃん荘の“おほうとう”)

 山歩きを始めてからずいぶんの間、私の山での食事は“お弁当”もしくは“自炊“のどちらかでした。

 ところが、初めて女友達だけで登った箱根の金時山。山頂に着き、私がバーナー(ガスなどの山用コンロ)とコッヘル(加熱用調理器具)でカレーを作っていると、みんなは山頂にあるお茶屋さんへ「きのこ汁」を注文に。持ち寄ったおにぎりと一緒に食べている、その熱々に湯気が上がったきのこ汁の美味しそうなことといったら!!

 それ以来、“その場所ならではの山ごはん”という、食の楽しみが増えたことは言うまでもありません。

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 山小屋や茶屋の食事を利用することで、行動食や非常食以外の重い食糧や水を最低限に減らすことができたので、荷物も軽くなり、体力に余裕もできました(※ただし、体力・技術度・山のレベルと非常時のリスクを考慮し、バーナーやコッヘル、魔法瓶に入れたお湯の持参は念頭に置いてください)。

 もちろん、山で食べるご飯は、コンビニのおにぎりやカップラーメンでも最高においしいのですが、登った先や下山後の「その場所だけで食べられるもの」という目的が増えました。今ではシーズンやエリアなどによって、自炊と現地調達、そのどちらも楽しんでいます。

 そこで今回は、これからの季節にたまらない、「山ごはんの楽しみ」をいくつかご紹介します。

お汁粉の山――箱根・金時山

【写真提供:四角友里】

 金時茶屋では、きのこ汁のほか、花豆がぜいたくに入ったお汁粉も人気で、控えめな甘さが疲れを癒してくれます。

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 金時山の往復4時間ほどの登山コースは、ほどよいアップダウンもあり、箱根の芦ノ湖や大涌谷などの眺望もよく、空気の澄む時期には迫力ある富士山が待ち受けてくれます。

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 また、金時山は金太郎が生まれ育った地とされ、ゆかりの神社や岩などがあるのも楽しみのひとつ。山頂でマサカリを持っての記念撮影と、金時茶屋で売っている金太郎飴のお土産もお忘れなく。下山後は箱根湯本で温泉を堪能してください。

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著者プロフィール

アウトドアスタイル・クリエイター。「大好きな自然と、自分らしいスタイルで繋がりたい」というメッセージを掲げ、執筆、トークイベント、アウトドアウェアのプロデュースなどの表現活動を続ける。『朝日新聞』、『日本シェアリングネイチャー協会』などで連載をもつ。2010年、ニュージーランドの永住権を取得。日本とニュージーランドの山歩きをライフワークとしている。山スカートの第一人者、着物着付け師の顔も持つ。著書に、ライフスタイルエッセイ『デイリーアウトドア』(メディアファクトリー)、自身の試行錯誤から学んだ山のノウハウが満載の『一歩ずつの山歩き入門』(エイ出版社)がある

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