「Do」ではなく「Feel」を大切に 四角友里のゼロからの山歩き

四角友里

【写真提供:四角友里】

 登山は“スポーツ”だと思っていました。

 体力ゼロ、運動音痴でインドアな自分とは違う、選ばれた人が楽しむものだと思い込んでいたんです。なんでツライ思いをしてまで、わざわざ山へ行くのだろうと不思議でした。

山歩きは、ココロを動かす行為

【写真提供:四角友里】

 けれど、実際に自然の中へ行ってみて感動をしたのは、足元の小さな花や、風の匂い、雲の動き、グラデーションに染まってゆく夕焼けなど……自然が織りなす表情たち。

「山歩きは、ココロを動かす行為なんだ」と気づくキッカケとなりました。

 もちろん自然の中では体力も技術もあるに越したことはないけれど、大切なのは自然の美しさを発見し、受け止める心なんだと、山が私に教えてくれたように感じたんです。

 それで、こんな私にもできるのかも……と山歩きが大好きになっていきました。

【写真提供:四角友里】

本当に自分にも歩けるのか?

 山歩きへの興味が膨らんできたころ、どこへ行ったら良いのか調べてはみるものの、「“初心者向け”と書いてあるけど、体力のない自分に本当に歩き切れるの?」と不安でたまりませんでした。

 小学生が遠足で行く高尾山のような場所であっても、自分が登れるかどうか心配で、最初の一歩が踏み出せなかった経験があります。

まずは歩かなくったっていい

上高地にある河童橋 【写真提供:四角友里】

 そこで、私が初めての山デビューとしてオススメしたいのは、歩かなくても行ける自然、ズバリ「観光地」です。

上高地の山小屋 【写真提供:四角友里】

 日本には、観光地や行楽地として整備されている自然豊かな場所が多数あります。そこで遊歩道のようなところを1時間散歩するだけでいい、不安なら歩かなくったっていいんです。

 自然のなかに身を置くという特別な“体験”をしてもらうところから、先に進むんじゃないかと思います。

 いわゆる、「初心者向けの山歩き」の前のステップとして、「自然を感じる心の準備」を大事にしてほしいんです。

観光地ならではのメリットを活用

北アルプス・立山室堂から見える山々 【写真提供:四角友里】

 例えば、春は秩父・羊山公園、房総・養老渓谷、京都・嵐山。標高が高い場所ならば時期にもよりますが、東北・八幡平、北アルプス・立山室堂や上高地など。

 観光地なら人が多く、軽食を提供してくれる施設やトイレ、自動販売機などの設備が整っていて安心。本格的な装備をそろえなくても、バスや車から降りたらすぐに自然が広がっています。

八幡平には沼や湿原が点在する 【写真提供:四角友里】

 登山…と意識し過ぎて、最初から頑張ってしまうよりも、楽をして美しさを味わうことに没頭してしまうほうが、「山が好き」「自然って心地がいいな」という気持ちが次につながりやすいと思います。
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著者プロフィール

アウトドアスタイル・クリエイター。「大好きな自然と、自分らしいスタイルで繋がりたい」というメッセージを掲げ、執筆、トークイベント、アウトドアウェアのプロデュースなどの表現活動を続ける。『朝日新聞』、『日本シェアリングネイチャー協会』などで連載をもつ。2010年、ニュージーランドの永住権を取得。日本とニュージーランドの山歩きをライフワークとしている。山スカートの第一人者、着物着付け師の顔も持つ。著書に、ライフスタイルエッセイ『デイリーアウトドア』(メディアファクトリー)、自身の試行錯誤から学んだ山のノウハウが満載の『一歩ずつの山歩き入門』(エイ出版社)がある

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