野津田岳人、恐怖を生み出す特別な左足 彷彿とさせる“久保竜彦以来”の爆発力
その左足で、決めてくれ
右サイドに配置されているのは、左足でのシュートを生かすため。指揮官の期待に応えられるか 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
シュート、シュート、シュート。
野津田岳人よ、シュートを撃て。
誰が決めるんだ。俺が決めるんだ。
ゴール前でパスなどは、一切、考えなくていい。
気の利いたパスとか、おしゃれなループとか、それは今の彼には似合わない。似合うような経験を積み重ねた後に、考えればいい。いつもは周りを思いやる優しさを持つ男だが、ピッチに立てば気を遣う必要はない。
俺が撃つ。俺が決める。俺がチームを救う。
そんなエゴイスティックな気持ちで、彼はちょうどいいのだ。昨年の清水エスパルス戦(IAIスタジアム日本平)で決定的なシュートを決められず、次に訪れたカウンターのチャンスでフリーの川辺駿にパスを出さず、自分で決めに行って失敗した。周囲からは「ジコチュウなプレーをするな」と叱責もされたが、「点を取れなかったことは申し訳なく思っても、シュートの選択そのものに後悔はなかった」と野津田は言う。それでいいのだ。
シュートだ、シュートを撃て、決めてやれ!
野津田岳人は、それでいい。それが、いいのである。