ランニングはヒップが大事 お尻で分かる体幹チェック!

青山剛

【青山剛】

 前回は、正しく走る(=体幹を使って走る)ための最低限の柔軟性について紹介させていただきました。今回は、実際に体幹を使って走れているかを「走らずに」簡単にチェックできる方法を紹介します。秋の走り込みシーズンに入る前にチェックしておきましょう!

体幹で走る=いかに足を節約して走るか

 そもそも体幹で走るということは、「いかに足を節約して走るか」ということになります。簡単に言えば、体幹は疲れづらい筋肉が集まり、手足は疲れやすい筋肉が多いから、というわけです。

 以前から、体幹で走れるようになるには走る前にストレッチでしっかりと体を伸ばし、スイッチエクササイズで事前に筋肉や神経にスイッチを入れ(軽く筋肉痛を起こさせ)、そして走る、という手順の「3S」を紹介してきました。

 その中でも腹筋の役割が特に大事だとお伝えしてきましたが、今回はその次に大事な体幹のひとつ「お尻」がしっかり使えるか、また使えているかをチェックします。

「速く走れた」でも「足が太くなった」はNG

【Getty Images】

 お尻の筋肉は主に大臀筋、中臀筋、小臀筋から成り立ちます。特に大臀筋、中臀筋は走る上でとても大切な役割を果たします。車に例えて説明すると、走る上では、大臀筋=アクセル、中臀筋=スタビライザー(ぶれずに安定させる機能)、となります。

 しかし、人間の体は良くも悪くもうまくできたもので、この2つが機能しなくても、走れてしまいます。それは「使えないお尻」をほかの部位、主に足が補ってくれるからです。

 足が補うということは、それだけ足が疲れるということです。さらにそれが過負担となってケガ・故障を招くばかりか、足が太くなる場合が多いのです。

 もちろん皆さん正しく走れるようになりたいでしょうし、それ以上にスタイルも良くなりたいと思います。「速く走れるようになりました。でも足が太くなりました」は避けたいはずですよね。そのためには、お尻をうまく使えるようになることがとても大事です。

 では、ここで私が長年の指導経験から導き出した、簡単に走らずできる「お尻が使えているかチェック」を紹介します。

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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