ランニングはヒップが大事 お尻で分かる体幹チェック!

青山剛

お尻が使えているかチェック!

【青山剛】

<テスト1>
・うつ伏せになり、あごを床につけ、お尻を指で押します。

【青山剛】

・お尻に力を入れて指を押し返し、その結果、あごが床から離れず(ここがポイント!)に、足が20センチ以上上がれば、お尻が使えている確率が高くなります。

【青山剛】

・お尻が硬くなれば、つられて足が上がります(鏡かガラスの前でチェックしましょう)。

【青山剛】

 テスト1で分かるのは、主に大臀筋が使えているかどうかです。お尻に力を入れた結果、足が上がるということは、「お尻で足を動かせる」となります。うつ伏せで足が上がるということは、立った状態では、足が後ろに行く=お尻で足を後ろに引くことができるのです。

 ここでお尻に力が入らず、足を無理に上げようとすると、背中や足が必要以上に力み、あごが浮いてしまうでしょう。

<テスト2>
・その場で片足立ちになり、地面に付いている足側のお尻をポンポンとたたきます(写真は右尻のチェック)。この時、お尻が硬くなっていて安定して立てていれば、走りでお尻が使えている確率が高くなります(同時に同じ側の下腹をたたくとより安定します)。

【青山剛】

・お尻が硬くなっていないと、足が相当力んでいるはずです。
 テスト2で分かるのは、主に中臀筋が使えているかどうかです。ここでのポイントは、片足を上げたら、立っている側のお尻が「無意識=自然に」硬くなっているかどうかです。

 片足ずつ地面に力を伝えて走るランニングでは、もちろんその場で片足だけで安定して立てなければなりません。安定して立つには、特に腹筋、お尻(中臀筋)、そして足の親指付け根(母指球)にスイッチが入っていなければなりません。安定して立てない方は特にお尻のスイッチが切れていて、足を相当力ませて立っているはずです。これが足を疲れさせたり痛ませたりする原因にもなります。

 実はテスト1、2ともに、私が指導している「体幹スイッチ・パート1」のメニューにもなっています。テスト1が「お尻背筋」、テスト2が「踏みつけ」です。お尻背筋は20回行います。お尻に力が入った結果、足が上がって「しまう」感覚をつかみます。足を上げるのではなく「上がる」がポイントです。

 踏みつけは、この姿勢で左右10回、安定して立つ練習です。これができたら、左右の足を素早く入れ替えたり、腕振りをつけて行ったり、段々と走りに近づけていくのです。

 コツコツ行えば、誰でもお尻は使えるようになります。秋の走り込み前に、お尻を使える状態にしておきましょう! 使えるお尻で足の節約です。

(参考資料:「青山剛のランニング・コア・メソッド(新星出版社)」)

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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