高橋光成、成長した姿を見せるために――エースで臨む2度目の国際大会
メジャースカウトをうならせた初戦の投球
U18アジア選手権の初戦、フィリピン戦に先発した高橋光。ストレートを主体に5回2安打無失点、メジャースカウトたちもうなった 【Getty Images】
昨年から培ってきた高校野球でのキャリアなども含め、高橋広監督(鳴門渦潮高)がエースに指名。初戦のフィリピン戦では4回に2連打を浴びるも、63球中60球はストレートで押し切った。視察に来たメジャーのスカウトをうならせる堂々としたピッチングで7奪三振、無四球にまとめ、2番手の森田駿哉(富山商高・3年)にマウンドを託した。
「相手は別として(1年ぶりの国際大会のマウンドは)懐かしさを感じました。去年は気持ちに余裕がなかったけれど、今は良い意味でリラックスできているし、(同級生が多い分)雰囲気に溶け込めていると思います」
何もできなかった1年前の記憶
昨年の18U世界選手権は直前の甲子園での疲労もあり思うようなピッチングができなかった高橋光。今大会はアジアナンバーワンを勝ち取るため、エースとしてチームをけん引する 【写真は共同】
昨年は甲子園で優勝した直後の選考だっただけに疲労が隠せなかった。ベネズエラ戦で16奪三振の快投を見せた安楽智大(済美高・3年)に比べ、何もできなかった自分に、いら立ちすら感じたのかもしれない。
長かった冬はケガなどもあり思うような練習メニューをこなせたわけではないが、ウエイトトレーニングだけは欠かさず行ってきた。1年後は背が高い(188センチ)わりに下半身がガッチリ。スピードもコンスタントに140キロ半ばが出るようになった。
「(太もものサイズは)ちゃんと計っていないので分かりませんが、ユニホームのサイズはLからXOになりました」とトレーニングの成果がはっきりと表れていることを感じている。
アジアNo.1を懸けて
昨年とは違う姿を見せるために――。日の丸を背負った背番号18は「去年とは違う気持ちでやれていて、すごく楽しみ。自分は(味方が)相手より1点でも多く点を取れるようなピッチングをするだけです」。そう言うと笑顔だった表情が、最後は引き締まった。
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