9ホールのみの超ミニゴルフ大会が開催=ホリエモンからV経験のあるプロまで参加

北村収

距離の打ち分けなどプロの技術を堪能

優勝者の1人、芹澤大介プロは「クラブが6本しか使用できないことで逆に面白かった。創造力をフル活用しました」と感想 【北村収】

 今回は、当然クラブが少ない分、距離の打ち分けなどプロの技が見られる機会がより多かった。優勝者の一人である芹澤プロが選択した6本は、3番ウッド、5番アイアン、8番アイアン、52度のウエッジ、58度のウエッジ、パター。「6本しか使用できないことで逆に面白かったですね。14本あると逆に迷ってしまうことがあるんですけど、選択した6本の番手しかないと思うと、この番手で強めだとか、この番手で軽めだとか、自分の中でイメージをして打つ必要があるので新鮮に感じましたね。風に乗せて飛ばしたりとか、逆に風に当てて飛ばさなかったりとか、ともかく創造力をフル活用しました」と語ってくれた。

全員がウィンウィンになれるシステム

今大会を主催したマーク金井(一番右)と優勝者で記念撮影。金井氏は「今後はこの形式で全国を回りたい」と明言 【北村収】

 主催者のマーク金井氏に聞くと、規模が小さいことにこのトーナメントの意義があるという。
「『マーク・マイクロ・トーナメント』は、組数を10組以内で開催することにこだわっています。理由は10組以内でギャラリーも多くて100人以内に抑えることができれば、通常のゴルフ場の営業で行うことができるからです。例えばこれ以上規模を大きくしてしまうと、駐車場に車が止められなくなったりギャラリー用のトイレが必要になったり、トーナメントを開催するために新たな設備を用意しなくてはならなくなり、コストがかかってしまいますが、この規模だったら通常のゴルフ場のインフラでトーナメントを開催することができます。一方でプロゴルファーにとっては試合する機会が増えますし、ゴルフ場にとっては練習ラウンドなども含めてプレー人数が増えるというメリットがあり、さらにギャラリーには身近でプロの技を見ることができます。ですから関係者全員がウィンウィンになれるのです」

 さらにもう一つ筆者がこのトーナメントの特徴的なことと思ったことがある。昨今ではトーナメント主催者側がWebやSNSでプロモーションを行うことは当たり前になっているが、マーク・マイクロ・トーナメントでは塚田プロをはじめ出場するプロゴルファーの多くが自らのメディアで宣伝してくれているのだ。SNSの時代、プロゴルファーという著名人の力が結集すれば、この小さなトーナメントの魅力はさらにアップするかもしれない。

「今後は全国各都道府県で開催したい」

 残念ながら日本のトーナメント数は過去と比べて減少している。さらにゴルフ場も特に平日はお客様を集めるのに苦戦している。そんなゴルフ環境の改善のためのエコシステムとしてこの『マーク・マイクロ・トーナメント』の仕組みは今後機能できるのであろうか?

「今後全国の各都道府県で開催したいと思っています!」と表彰式で宣言した大会代表であるマーク金井氏。この小さなトーナメントが秘める大きな可能性に注目してみたい。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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