HIROYA弟の大雅が無敗のまま高校生王者に=「Krush.45」名古屋大会リポート
兄HIROYAも肩車で弟を祝福
9戦9勝と無敗のままKrush−55キロ級王座戴冠を果たし、兄HIROYAに祝福される大雅 【中村拓己】
今年は月1ペースで後楽園大会を開催し、8月の後楽園大会は前売り&立ち見チケットが完売するなど盛り上がりを見せているKrush。一昨年、昨年に引き続き、今夏も名古屋大会が行われ、後半5試合では恒例となった「NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ」で名古屋と東京の精鋭たちが激突した。
対抗戦の大将戦はKrush−55kg級タイトルマッチ、王者・瀧谷渉太vs.挑戦者・大雅の一戦だ。瀧谷はKrush−55kgで2度の戴冠歴を持ち、現在は第2代王者として君臨。5月に初防衛を果たしており、この階級の“絶対王者”となりつつある存在だ。一方の大雅はHIROYAの実弟として、2012年にプロデビュー、ここまで8戦8勝と無敗街道を突き進む18歳の現役高校生だ。
これまでの実績・キャリアから瀧谷に分があるかと思われたが、大雅は1Rから躍動する。鋭い左ストレートと右フックで前に出てくる瀧谷と打ち合う場面では打ち合い、タイミングを見て飛びヒザ蹴りも発射。2Rに入ると右フックで瀧谷に尻餅ををつかせる場面も。
そして瀧谷が左ストレートから一気に連打で距離を詰めると、大雅も同じように打ち合い、最後は左フックを叩き込んで、先に王者からダウンを奪う。再開後、瀧谷が猛反撃に出ても、大雅はしっかりとパンチをかわして、カウンターの右フックをヒットさせた。
3Rに入ると逆転を狙う瀧谷が、さらに手数を増やして前進。しかし大雅は距離が詰まると首相撲の要領で瀧谷を崩し、追撃をシャットアウトする。その後も大雅は瀧谷の猛追を右フック、飛びヒザ蹴り、ミドルキックで迎え撃って譲らない。そのまま試合終了となり、判定3−0で瀧谷に勝利した大雅が、無敗のまま第3代ー55kg級王座を獲得。試合後、ベルトを腰に巻いた大雅は兄HIROYAに肩車で祝福された。
亡き友へ誓った王座戴冠!次は寺戸との統一戦へ
大雅(左)は実績、キャリアで上回る“絶対王者”瀧谷と果敢な打ち合いを披露し、念願のベルトを手繰り寄せた 【中村拓己】
試合については「瀧谷選手から絶対に負けられないという気持ちが伝わってきて、最後まで気を緩められなかった」という大雅だが「最初にパンチをもらって鼻血が出たり、危なかったところもあったけど、パンチは見えていたので、特に効いたパンチはなかった。ジャブでペースを取ることが出来て、自信を持って戦うことが出来ました」と振り返った。
Krush−55kgの最強王者・瀧谷の牙城を崩した大雅は、勝利の余韻に浸ることなく、次の相手としてISKA世界バンタム級王者・寺戸伸近を逆指名。「弱い外国人選手としかやっていない。自分と寺戸選手の試合を見たい人もいるだろうし、面白いんじゃないかなと思う」と挑発的な言葉を織り交ぜながら、寺戸との対戦をアピール。さらに「お互いのベルトをかけてやったらいい」とKrushとISKAの統一戦もぶちあげた。
木村が戦慄のKO勝利!佐藤嘉洋は貫禄勝ち
名古屋vs.東京の対抗戦に副将で参戦したベテラン佐藤嘉洋(左)はたくみな試合運びで貫禄の判定勝ちを収めた 【中村拓己】
その他の試合では名古屋勢が強さを見せつけた。先鋒戦で石橋真幸が指首祐太に勝利すると、次鋒戦では“名古屋のお祭り男”泰斗がユウキ・テイル・旬のパンチでぐらつきながらも、最後は右ストレートで逆転KO勝利して会場を沸かせる。副将戦で山崎陽一を迎え撃った佐藤嘉洋は1Rからパンチ&ヒザ蹴りで山崎を攻め込み、最後は手数で山崎を圧倒。改めてその強さを見せつける判定勝利を収めた。
5戦5勝とはならなかったものの、今年も3勝2敗で名古屋勢が対抗戦に勝利。3年連続で勝ち越す結果に終わった。また大会終了後には来年8月22日(日)名古屋国際会議場イベントホールにて、4年連続となる名古屋大会の開催が発表された。数々の名勝負や番狂わせが起こる名古屋大会、来年も夏のビッグイベントになりそうだ。
試合結果
木村ミノル(左)は4度のダウンを奪って戦慄のKO勝利 【中村拓己】
8月24日(日)愛知・名古屋国際会議場イベントホール
<第10試合 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ大将戦 Krush −55kg級タイトルマッチ 3分3R・延長1R>
[王者]●瀧谷渉太(KSS健生館)
(判定0−3※28−30、27−30、28−29)
[挑戦者]○大雅(TRY HARD GYM)
※大雅が新王者に
<第9試合 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ副将戦 Krush −70kg Fight 3分3R・延長1R>
○佐藤嘉洋(名古屋JKファクトリー)
(判定3−0※30−29、30−28、30−27)
●山崎陽一(シルバーウルフ)
<第8試合 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ中堅戦 Krush −65kg Fight 3分3R・延長1R>
●富平禎仁(正道会館)
(2R2分28秒 KO)
○木村ミノル(Fighting Kairos/マイウェイジム)
<第7試合 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ次鋒戦 Krush −65kg Fight 3分3R・延長1R>
○泰斗(GET OVER)
(1R2分11秒 KO)
●ユウキ・テイル・旬(ドラゴンテイル)
<第6試合 NAGOYA×TOKYO・5対5マッチ先鋒戦 Krush −58kg Fight 3分3R・延長1R>
○石橋真幸(名古屋JKファクトリー)
(判定3−0※29−28、29−28、30−28)
●指首祐太(STRUGGLE)
<第5試合 −61kg契約 3分3R>
○東本央貴(MAD MAX GYM)
(2R2分1秒 KO)
●平塚大士(チームドラゴン)
<第4試合 女子 −54kg契約 2分3R>
●大石綾乃(OISHI GYM)
(判定0−3※28−30、28−30、27−30)
○谷山佳菜子(正道会館)
<第3試合 Krush −55kgFight 3分3R>
●磯部 心(Splash)
(3R2分2秒 TKO)
○伊澤波人(チームドラゴン)
<第2試合 Krush −58kg Fight 3分3R>
△MAN☆五郎(大和ジム)
(判定0−0※28−28、28−28、28−28)
△林 健太(チームドラゴン)
<第1試合 Krush −55kg Fight 3分3R>
○祐☆トーン・エー(真樹ジムAICHI)
(1R1分22秒 KO)
●日下部太市郎(WATANABE GYM)
<オープニングファイト第3試合 Krush −58kg Fight 3分3R>
●嶋田将典(イングラム)
(2R2分13秒、KO)
○翔也(チームドラゴン)
<オープニングファイト第2試合 Krush −65kg Fight 3分3R>
○早坂太郎(名古屋JKファクトリー)
(判定3−0※28−27、28−27、28−27)
●前田 修(GET OVER)
<オープニングファイト第1試合 −57kg契約 3分3R>
○倉崎昌史(GET OVER)
(1R1分54秒、KO)
●亀本勇翔(チームドラゴン)
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