10.5パンクラスで北岡が初の金網マッチ DEEPと関係修復で合同興行実施も

長谷川亮

初ケージも「向いている」と手応え

1年ぶりとなるパンクラスでキャリア初の金網マッチに挑む北岡 【長谷川亮】

 7日、都内のパンクラス事務所で「PANCRASE 261」(10月5日、東京・ディファ有明)のカード発表が行われ、昨年9月に1回戦が行われたまま休止していたワールドスラムトーナメントが再開され、1回戦を勝ち進んだ北岡悟(ロータス世田谷/DEEPライト級王者)が準決勝で米国のリッチー・ウィットソン(AKA)と対戦することとなった。

 今回が長いキャリアを通じ初めてケージ(金網)での試合となる北岡だが、「それがパンクラスなのも縁があると思う」と巡り合わせを感じているようで、「対応できるよう練習してるし、向いているんじゃないかと思っている」と金網戦への手応えを語った。

 対戦相手のウィットソンは昨年9月の1回戦で長岡弘樹をフロントチョークで撃破。長岡勝利を予想していたという北岡だがすでに映像もチェック済みで、「連勝していた時期もあるし、勝ち方がいいので侮れない。一通りのことはできる」とその印象を口にした。

 北岡はさらに「相手に絶望を与えるか、僕が絶望するか。格闘技のそういう部分、上っ面の“格闘技ごっこ”じゃない、エグいショーを見せたい」と入場時のギラついた様子を思わせる物言いで、1年ぶりとなるパンクラスへの意気込みを示した。

 なお、準決勝のもう1試合、フィリップ・オリビエリ(NOVAUNIO)対ボグダン・クリスティア(アメリカントップチーム)は11月2日の大会で行われ、決勝は2015年2月大会で実施予定。

修斗、ZSTを加えた4団体合同興行にも意欲

国内MMAの現状に危機感を抱くパンクラス酒井代表(左)とDEEP佐伯代表は今後の協力体制を確認 【長谷川亮】

 また、この日の会見には、パンクラスの酒井正和代表ならびにDEEPの佐伯繁代表が出席し、今後の両団体についての発表が行われた。

「半年間疎遠で連絡も取っていなかった」と酒井代表が明かしたように、冷戦期間もあったパンクラスとDEEPだが、国内MMAの現状に危機感を同じくしたことから話し合いの場を持ち、関係が修復。今後は対抗戦の実施や合同興行の実現を視野に、協力体制を取っていくこととなった。

 選手の派遣・交流は両団体の興行で今秋からスタートするが、「どこかで10対10とか全面対抗戦をやりたい」(佐伯)、「対抗戦や合同開催、勝敗によって運営費の配分を決めたり、いろいろやりたい」(酒井)と、鼻息の荒い佐伯代表にクールな酒井代表と対照的な様子ではあったが、どちらも今後の展開にやる気を見せた。

 両代表はさらに「夢は(修斗、ZSTを加えた)4団体合同興行。その夢に近づいてきた感じがある」(佐伯)、「(日本統一タイトルも)考えているし、協力し合って作るべき」(酒井)とゆくゆくの構想を語り、国内MMA団体の大同団結へ、第一歩を宣言した。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント