REBELSが聖地・後楽園ホール初進出 “ムエタイ都市伝説”ヤスユキは実力証明

長谷川亮

“ムエタイ都市伝説”ヤスユキはタイの強豪ターナーを下し新たな勲章 【花田裕次郎】

「RISE cooperation REBELS.28」が25日、初進出となる東京・後楽園ホールで開催された。
 セミファイナルには、かつてそのミステリアスな実力から“ムエタイ都市伝説”の異名を取ったヤスユキ(REBELS−MUAYTHAIスーパーフェザー級王者)が登場。REBELSを主戦場として以来、国内トップファイターを次々に下し、その実力が都市伝説ではなく本物であることを証明しているヤスユキが、タイの強豪戦士ナーカー・ゲオサムリットと対戦した。

強豪タイ人撃破でムエタイ都市伝説に新たな勲章

タイの強豪相手に蹴り合いでもまったく引けを取らなかったヤスユキ 【花田裕次郎】

 ナーカーはタイの名門ゲオサムリットジムに所属し、激闘が多いことで知られるオームノーイスタジアムでスーパーフェザー級2位にランクする25歳。ヤスユキにとってはまた1段上のレベルでその実力が試される一番となった。

 よく伸びて距離を作るジャブ、パンチを中心に試合を組み立てたヤスユキだが、左ミドルとハイキック、前蹴り、右ローと蹴りも忘れず、日本人がタイ人との対戦で後手に回りがちな蹴り合いでもナーカーに引けを取らず展開する。
 手数・足数多く、速いテンポで攻めるヤスユキをナーカーはうるさく思ったか組んで止めんとしたものの、ヤスユキは組まれそうになると振りほどき、あるいはバックステップ、左右へのフットワークを見せナーカーに組ませない。
 左ミドルを多用するナーカーに、ヤスユキは3つ4つとパンチをつないで応戦。試合はどちらもムエタイ戦士のような技術戦のまま均衡が崩れることなく5Rを終え、判定は49−48(ヤスユキ)、50−47(ナーカー)、49−48(ヤスユキ)の2−1でヤスユキ。
 タイ人と見紛うような動きを見せ、ムエタイ都市伝説に勲章となる新たな勝ち星を加えた。

“居合パンチャー”町田が世界2冠王撃破

“居合パンチャー”町田光は世界2冠王ミテフを“町田ワールド”に引き込み判定勝利 【花田裕次郎】

 第7試合では居合抜きの構えから放つパンチで異彩を放つ“居合パンチャー”町田光が、4月にヤスユキに敗れて以来の再起戦。「海外で試合をして居合パンチを広めたい」と希望する町田が、その試金石として36戦35勝(11KO)1敗の戦績を持つ世界2冠王、チホミール・ミテフ(ブルガリア)と対戦した。

 マイク・ザンビディスを思わせるスタイルで、序盤から回転の速いパンチを振るうミテフだが、町田も全く引くことなく1Rから打ち合いを繰り広げる。ミテフを相手にフィジカル負けを見せない町田は前に出て圧力を掛け、居合パンチからバックブロー、ミテフを組み倒すと一礼と、早くも“町田ワールド”を全開にする。

 最後までプレッシャーを落とさず、ミテフをロープ・コーナーに詰め展開した町田は、ボディーを狙う跳びヒザ=ガルーダ・ニーも織り交ぜて攻め、パンチ一辺倒にはならずミドルやハイでもミテフを襲って試合終了。30−28、30−28、30−27の3−0で判定勝ちを果たし、居合パンチ世界進出の野望へ一歩近づいた。

引退試合の板倉は無念のTKO負け

“キック界の燃える闘魂”板倉は無念TKO負けで引退試合飾れず 【花田裕次郎】

 メインイベントでは“キック界の燃える闘魂”板倉直人(元REBELS−MUAYTHAIウェルター級王者)が引退試合。WPMF日本ウェルター級王者・田中秀弥にヒジでカットされ(2R TKO負け)ラストマッチでの白星はならなかったが、引退セレモニーでは本家“燃える闘魂”アントニオ猪木から映像でスペシャルメッセージを送られ、「こういう形で終わっちゃったんですけど、僕の中で後悔はないです。負けてはしまいましたが、最後にありがとうの気持ちを込めて」と、こん身の1、2、3、ダーッを決め現役生活を締めくくった。

 そのほか、大会の試合結果は以下の通り。

■「RISE cooperation REBELS.28」
7月25日(金)東京・後楽園ホール

<メインイベント(第9試合)67kg契約 REBELS−MUAYTHAIルール 3分5R>
○田中秀弥(RIKIX/WPMF日本ウェルター級王者)
(2R1分17秒 TKO)
●板倉直人(スクランブル渋谷/元REBELS−MUAYTHAIウェルター級王者)
※ドクターストップ

<セミファイナル(第8試合)59kg契約 REBELS−MUAYTHAIルール 3分5R>
○ヤスユキ(Dropout/REBELS−MUAYTHAIスーパーフェザー級王者)
(判定2−1)
●ナーカー・ゲオサムリット(タイ/オムノーイスタジアム・スーパーフェザー級2位)
※49−48(ヤスユキ)、50−47(ナーカー)、49−48(ヤスユキ)

<第7試合 60kg契約 REBELSルール 3分3R>
○町田光(橋本道場/Japan Kickboxing Innovation/REBELS 60kg級王者)
(判定3−0)
●チホミール・ミテフ(ブルガリア/WKNムエタイ世界60kg級王者、WKN世界60kg級王者)
※30−28、30−28、30−27

<第6試合 REBELS65kg級王座決定戦 REBELSルール 3分5R>
○UMA(K&K BOXING CLUB/REBELS 65kg級3位)
(判定3−0)
●中村広輝(赤雲會/REBELS 65kg級1位、LEGENDライト級王者、TENKAICHIスーパーライト級王者)
※49−48、49−48、49−47
※UMAが第2代王者に

<第5試合 REBELS 52.5kg級王座決定戦 REBELSルール 3分5R>
○加藤竜二(橋本道場/REBELS 52.5垉蕋碓漫■廝贈奪爛┘織ぅぅ鵐拭璽淵轡腑淵襯侫薀さ藥団蟆者、INNOVATIONフライ級王者)
(1R1分10秒 KO)
●関正隆(昌平校柏道場/REBELS−MUAYTHAIスーパーフライ級3位、M−1スーパーフライ級王者)
※加藤が初代王者に

<第4試合 REBELS 60kg級王座次期挑戦者決定戦 REBELSルール 3分3R>
○SHIGERU(新宿レフティージム/REBELS−MUAYTHAIスーパーフェザー級3位、WPMF世界スーパーフェザー級暫定王者)
(判定3−0)
●皇治(SFKキックボクシングジム/REBELS 60kg級3位、HEATキックルールライト級王者)
※29−28、29−28、30−28

<第3試合 REBELS−MUAYTHAIスーパーライト級王者決定トーナメント準決勝戦 REBELS−MUAYTHAIルール 3分3R延長1R>
○野呂瀬博之(STRUGGLE/WPMF日本スーパーライト級王者)
(判定3−0)
●水落洋祐(はまっこムエタイジム/元WPMF世界ライト級王者)
※三者29−28
※野呂瀬が決勝戦へ進出

<第2試合 REBELS−MUAYTHAIスーパーライト級王者決定トーナメント準決勝戦 REBELS−MUAYTHAIルール 3分3R延長1R>
○ハチマキ(PHOENIX/元REBELS−MUAYTHAIライト級王者)
(延長判定3−0) 
●山口裕人(多田ジム山口道場/DEEP☆KICK 63kg級王者)
※三者10−9
※本戦判定は29−29、30−29(山口)、29−29
※ハチマキが決勝戦へ進出

<第1試合 52.5垉蕁。劭釘贈釘味咼襦璽襦。格3R>
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/REBELS 52.5垉蕋外漫
(判定3−0)
●ユン・ドクジェ(韓国/REBELS 52.5垉蕋屋漫大韓ムエタイ協会ジュニアフライ級王者)
※三者30−28
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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