C大阪、新監督就任で再スタート 結果出ずも新スタイルに手応えあり
初陣は逆転負けも、新たな戦い方を見せる
C大阪の新監督に就任したペッツァイオリ氏。初陣となった川崎戦ではすでに新たな戦い方を見せていた 【写真:アフロスポーツ】
奪ったら手数をかけず、素早くボールを前に運んで崩し切る。「縦を意識したサッカーをするのが私の哲学。3、4本と横パスを回すのは好まない」という監督の意思が反映された攻撃だった。この試合は守備でもアグレッシブ。ボールホルダーへの鋭いアプローチに加え、高い位置で奪い返して攻撃につなげる場面もたびたびあった。後半こそ、丁寧につないでプレスをはがしにかかる川崎のサッカーの前に押し込まれ、1−2で逆転負けを喫したが、新体制下での新たな戦い方の一端をピッチに描いて見せた点では、意義ある試合となった。
新監督は育成に長け、ドイツサッカーに精通
就任と同時に行われた6月16日からの和歌山キャンプでは、ペッツァイオリ監督は早速、戦術の浸透に着手。前線からスイッチを入れ、後ろが連動する守備の整備に時間を割いた。「全体が1本のひもでつながっているように」との言葉が印象的であり、プレスを外された時はDFラインがいったん下がりながらセットし、そこから再びプレスに行く意識付けも行っていた。和歌山から大阪・舞洲に戻っての日々の練習では、ゲーム形式において選手を固定せず、さまざまなポジションで試している。
「監督の役目は、それぞれの選手が持っている、それぞれ違った才能をどう生かすかを考えること。毎日の練習の中から選手の可能性を見いだしていきたい」(ペッツァイオリ監督)とその理由を話す。「監督は、『練習で良かった選手を使う』と話している」(扇原貴宏)。選手のモチベーションは高い。