C大阪、新監督就任で再スタート 結果出ずも新スタイルに手応えあり
山口「意識を高く持てばJリーグでも成長できる」
海外でのプレーに対する希望について問われると、「環境を変えて自分を追い込むことも大事かなとは思うけど、こればっかりは何が起こるか分からない。今はセレッソでしっかりやることだけに集中している」と話すに留めた。新たな指揮官の下でのサッカーについては、「映像を見たり、周りの話を聞いたりする中では、自分にも合っていると思う。監督のやりたいことを体現して、全員攻撃、全員守備で戦いたい」と意気込みも話した。
練習後には高橋大輔コーチと話す姿も見られ、戦術理解に努める姿が印象的だった。迎えた川崎戦では、光るプレーを随所に見せた。W杯での激闘を終えたばかりで、クラブでは主将として新監督となったチームを支える役割を担う。山口の肩にかかる負担は大きいが、「意識を高く持てばJリーグでも成長できる」と話す。
現時点では、この気持ちで残りのシーズンを戦い抜く覚悟であろう。
課題噴出も、チームは前向き
また、「マリノス戦の後半は、前から1つずつ守備がずれて、後ろ(の守備)が厳しくなった」(平野甲斐)。前線の守備がハマらないと、しわ寄せがチーム全体に及ぶ戦い方でもあるため、「この戦術は1人がサボれば苦しくなる」(平野)。「前からプレッシャーをかけて、前で取って勝負するサッカー。ただ、後ろがワンボランチになった分、前はプレッシャーをかけやすくなったけど、そこで取り切れないと、後ろの守り方は苦しくなる」(キム・ジンヒョン)ことも確かなため、90分の中で、「苦しい時間帯は思い切って引いてカウンター」(藤本康太)も選択肢のひとつとなる。
「去年のベースのやり方なので、すぐにできると思う。前から行く新しい戦術に加えて、そこをうまくやれればいい。その辺は(山口)蛍やタカ(扇原)とも話しながらやっていきたい」と藤本は語る。「試合をやるごとに良い点、悪い点は出てくる。それを次にどう改善するかが大事。下を向かずにやっていきたい」と横浜FM戦後に新井場徹が話したように、試合ごとに噴出する課題もチームは前向きに捉えている。
23日には、順位が近いヴァンフォーレ甲府との一戦が控えている(15節終了時でC大阪は14位、甲府は16位)。結果次第では降格圏に落ちる重要な試合だが、チームに気負いは見られない。川崎戦では勝ち点0に終わり、横浜FM戦では勝ち点1を得た。3戦目となる今節で勝ち点3を獲得し、マルコ・ペッツァイオリ新体制の真のスタートを切りたい。