「国を背負う経験は五輪に向けて必要」=古閑美保が女子ゴルフ国別対抗戦を解説

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今年から新設された「インターナショナル・クラウン」

ことしから開催される国別対抗戦「インターナショナルクラウン」の見どころを語ってもらった元日本女子ツアー賞金女王の古閑美保プロ 【スポーツナビ】

 2014年7月24日、女子ゴルフの国別対抗戦が新たにスタートする。その名は「インターナショナル・クラウン」。世界ランキング1位のステーシー・ルイス(米国)、3位のインビー・パーク(韓国)など、世界中のトッププロが米国メリーランド州ケーブス・バレーGCに集結。日本からは、宮里藍、横峯さくら、宮里美香、比嘉真美子の4名が参戦する。

 2016年リオ五輪よりオリンピックの種目としても復活することが決まったゴルフ。世界中のトッププロが集う国別対抗戦「インターナショナル・クラウン」は、オリンピックの前哨戦とも言えるだろう。出場国は米国、韓国、日本、タイ、スペイン、スウェーデン、オーストラリア、台湾の8カ国。個人競技である一般のゴルフトーナメントとは異なる国の威信をかけた戦いの魅力とは!? 元日本女子ツアー賞金女王の古閑美保プロに聞いてみた。

米国は攻撃的でマッチプレーに強い

ことしからアメリカで開設された国別対抗戦「インターナショナルクラウン」には世界のトッププロが集結し、国を背負ってプレーする 【Getty Images】

――ずばり、見どころは?

 世界のトッププレーヤーたちが集まった団体戦というところですね。ゴルフは基本的に個人競技なので、団体戦でどれだけ団結できるかというところが見どころではないでしょうか。それから、マッチプレーは面白いですよね、見ていて。

――各国の出場選手に関してはいかがでしょうか?

 米国と韓国が抜けているかなというのはありますね。米国はステーシー・ルイスやレクシー・トンプソンなど、今勢いがある選手がいるだけでなく、元々の実力者であるクリスティー・カーもいます。しかも米国は攻撃的な性格のプレーヤーが多いのでマッチプレーには強いと思います。韓国は実力が高いですね。技術的には一番強いのではないかと思います。

横峯選手と宮里藍選手は期待できる

日米を舞台に、自分のプレースタイルを貫けるだけのキャリアが豊富な宮里藍は日本のエースとして期待がかかる 【Getty Images】

――日本が米国や韓国などの強豪に勝つにはどうすればいいでしょうか?

 普段と違うことをやろうとしてもできないと思いますので、自分のゴルフのプレースタイルを貫くことが大事だと思います。マッチプレーなので、普段のストロークプレーとは違う駆け引きもいろいろあると思いますが、自分らしく攻めていけば勝てる可能性もすごくあると思いますね。

――日本の各選手はいかがでしょうか?

 横峯選手は自分を貫ける性格ですし、長い間活躍してきていて、自分らしく攻めていけるタイプだと思いますので期待できますね。宮里藍選手も同じですね。横峯選手と宮里藍選手は、自分のプレースタイルを貫けるだけのキャリアもありますし、かなりいけると思います。

――宮里美香選手はいかがでしょうか?

 性格はマッチプレー向きですよね。攻撃的なゴルフを行える技術もありますので。

――比嘉真美子選手はいかがでしょうか?

 若いし、勢いもあるし、飛距離も出るので楽しみですね。自分らしいゴルフをして、自分のプレースタイルを変えずにやってもらえればと思います。

重圧を受け止めればチーム力も出てくる

日本代表・横峯さくらはマッチプレーに大切な「自分らしく攻めていける性格」を持っていると古閑プロもお墨付き 【Getty Images】

――2016年からオリンピックでゴルフが正式種目になって、国別対抗的な形になる可能性が高いと言われていますが、国別対抗の競技の面白さみたいなものは何かありますか?

 ゴルフは普段は個人競技なので国を背負うことはあまりないですけど、オリンピックを見据えて本当に国を背負ってゴルフをする経験を積むことは、選手たちにとってはいいことだと思います。

――古閑プロも以前日韓対抗戦などに出ていますが、国の代表としての試合と普段のトーナメントとの違いはありますか?

 プレッシャーのかかり方が違いますね。あと、団体戦というのも大きな違いですね。アマチュアの時から私は日本代表として何度か試合に出たことがあります。当時私はそんなに重いものとはとらえていなかったんですけど、国を背負うということをしっかり重く受け止めてやればチーム力も出てくると思います。

――重く受け止めた方がいいのですか?

 重く受け止めた方がいいと思います。国を背負っているプレッシャーを感じた方がいいですね。その方が、将来オリンピックでも団結力が出るんじゃないかなと思うので。普段は個人スポーツとしてしかやっていないので、国を背負うという意識がやっぱり低いと思いますし、今は普段とは違うプレッシャーを感じる経験を積んでいったほうがいいと思います。

マッチプレーでは自分のプレーを貫くことが大事

現在、世界ランク51位の日本代表・宮里美香は持ち前の攻撃的なゴルフを見せられるか!? 【Getty Images】

――日本の活躍の可能性はいかがでしょうか?

 マッチプレーで戦えるということは、日本選手にとっては有利だと思いますよ。ストロークプレーですと、4日間で本当の実力が出てしまい、世界ランキングで上位にいる選手がいるチームがやはり強いと思いますが、マッチプレーなら日本にも活躍の可能性はあると思います。

――マッチプレーでの戦い方というのはありますか?

 自分のプレースタイルを貫くことですね。競技方式がマッチプレーになっているだけで結局普段の自分のプレースタイルは変えられないものですし、必ずしも攻めるからバーディが取れるわけではないですし、自分のプレースタイルを貫くことが本当に大事だと思います。

自分以外のプレーヤーを応援することが新鮮!?

「若いし、勢いもあるし、飛距離も出るので楽しみ」と古閑プロも期待を口にする比嘉真美子 【Getty Images】

――この試合の一番の面白さは何ですか?

 世界中の強豪選手が出場することですね。それからチームを背負って、国を背負って、皆の成績でポイントを争うのはこの試合くらいしかないので、すごく盛り上がると思いますし、盛り上がってほしいですね。

――2年後のオリンピック、さらに2020年には東京オリンピックもありますが、今後ゴルフの国別対抗戦というのが盛り上がると思いますか?

 盛り上がってほしいですし、私自身楽しみにしています。普段はゴルフというスポーツは周りが全員敵ですが、国別対抗戦だと同じチームのプレーヤーは敵ではないという感覚が、結構楽しいんですよね。

――団体戦はプレーしているプロも楽しいものですか?

 普段、自分以外のプレーヤーを応援することはまずないので、新鮮なんですよね。プロ同士が応援しあっているシーンを見ることもあまりないと思うので、テレビなどで観戦される方にとっても楽しいと思いますよ。

(文・北村収)
■インターナショナル・クラウン
米国時間7月24日〜27日・米国メリーランド州

・概要
 今年よりLPGAより新設された女子ゴルフの世界一を決める国別対抗戦。出場国は米国、タイ、スペイン、台湾、、韓国、日本、スウェーデン、オーストラリアの8カ国。初日から第3日までの予選では2グループに分かれ、総当たり戦を行なう。形式は2人1組で2人のうち各ホールいい方のスコアを採用していくフォアボール方式のマッチプレー。勝てば2ポイント、引き分けで1ポイント(負けはゼロポイント)を獲得し、3日間の勝ち点で各グループ上位2カ国と、3位同士のプレーオフに勝利した計5カ国が最終日に進む。決勝ラウンドは5カ国20選手によるシングルス戦を行ない4日間を通じての総勝ち点で優勝国が決定する。

・グループA(米国/タイ/スペイン/台湾)
第1日:米国vs台湾/タイvsスペイン
第2日:米国vsスペイン/タイvs台湾
第3日:米国vsタイ/スペインvs台湾

・グループB(韓国/日本/スウェーデン/オーストラリア)
第1日:日本vsスウェーデン/韓国vsオーストラリア
第2日:日本vsオーストラリア/韓国vsスウェーデン
第3日:日本vs韓国/スウェーデンvsオーストラリア
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