全員で戦い、3位を勝ち取ったオランイェ 世代を問わず成長を続けた選手たち
称えたいフラールの活躍
筆者が“今大会の驚き”として推すフラール(左)。その活躍は指揮官ファン・ハールからも称えられている 【写真:ロイター/アフロ】
彼はAZ 、フェイエノールト時代、ビルドアップのうまいCBとして活躍。現在はアストン・ビラに所属しているが、個人的には少し高いレベルの舞台では厳しいと感じていた。近年はビルドアップの質も下がっている。つまり、ファン・ハールのフィロソフィーから外れたDFなのだ。今大会も彼がボールをつながず、大きくクリアし、ファン・ハール監督が激高する姿をみた。
しかし、その欠点を補って余りあるほどの守備を今大会のフラールは見せた。そしてアルゼンチン戦では「私の目から見て、今日のピッチの上のベストプレイヤー」と指揮官から称えられるほどの素晴らしいプレーを披露した。
若くて高いクオリティーを備えている選手が、ビッグトーナメントを通じて成長して行くのはよくある事。しかし、フラールはある程度の限界が見えていた29歳の選手。それがW杯で毎試合、安定した守備力を見せ、最終ラインでリーダーシップを発揮した。すべてのプレーの判断はハッキリし、チーム好調の基礎となり、間違いなくプレーの質が上がって成長したのだから驚きだ。手放しで誉め称えるしかない。
今大会活躍した選手として、フラールをフォーカスする日本の媒体もそうはないだろう。しかし、しっかり記憶に焼き付けておきたい選手だ。
すでに決まっている後任人事
かつてアヤックスの監督として失敗した後、スパルタ・ロッテルダムやアヤックスでテクニカル・ディレクターを務め、実際に采配を振るうことから離れている彼が、代表チームの監督として内定したことに批判の声も聞こえてくる。ともかく4年後を見据えて、すでにオランダはスタートし始めている。