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ファン・ハールが導いた誇るべきベスト4
国内の若手主体で作り上げたオランダ代表

「戦術的な試合」となった準決勝

PK戦の末惜しくもアルゼンチンに敗れ、決勝進出を逃したオランダだが、国内ではチームを讃える報道がされている
PK戦の末惜しくもアルゼンチンに敗れ、決勝進出を逃したオランダだが、国内ではチームを讃える報道がされている【写真:ロイター/アフロ】

 ワールドカップ(W杯)・ブラジル大会優勝への期待が高まっていたオランダだったが、準決勝でアルゼンチンの前に散った。両チームとも得点が無いまま、勝負はPK戦に持ち込まれ、4−2でアルゼンチンの決勝進出が決まった。


 オランダにはアリエン・ロッベン、ロビン・ファン・ペルシー、ウェスレイ・スナイデル、アルゼンチンにもリオネル・メッシ、ゴンサロ・イグアイン、エセキエル・ラベッシ、途中出場のセルヒオ・アグエロといった優れたアタッカーがいたが、それでも両チームが作ったチャンスは数えるほど。オランダのルイ・ファン・ハール監督は「バランスの試合。両チーム、優れた攻撃的な選手をそろえながらチャンスが少なかった。戦術的な試合だった」と振り返った。


 本当に互角の試合内容だったが、オランダ選手の気持ちの中には「アルゼンチンはPK戦狙いだった。オランダの方がフィットしており、自分が90分に迎えたような小さなチャンスを作っていた」(ロッベン)と、やや自分たちの方が勝っていたという気持ちがあった。それだけに悔しい敗戦だった。


 しかし、今回のベスト4という結果は、オランダにとって大いに誇っていいものだ。試合終了直後、『デ・テレフラーフ』紙のスポーツ欄主筆、ヤープ・デ・フロート氏は同紙のビデオチャンネルで「オランダの目標はベスト4だったが、それは国際舞台における過去数年のオランダサッカーを振り返っても“ミッション・インポッシブル(極めて難しい任務)”だった。しかし、このチームはグループとして成長し、最大限の力を発揮して、たどり着けるところまで来た」と代表チームを讃えている。

国際経験に乏しい近年の国内事情

 国際舞台におけるオランダサッカーの体たらくと言えば、ユーロ(欧州選手権)2012のまさかのグループステージ3連敗がまず頭に浮かぶ。そのため選手の若返りが急務になったのだが、ベルト・ファン・マルワイク前監督を継いだファン・ハール監督にとっては、エールディビジのレベル低下に伴って若い選手たちが、チャンピオンズリーグ(CL)やヨーロッパリーグ(EL)の舞台で経験を積めなくなっていた事の方が悩みだった。


 13年3月、フェイエノールトはエールディビジで優勝を争っていた。この時期、ファン・ハール監督はMFヨルディ・クラシーに「優勝しろよ」と声をかけた。その意図は、優勝して翌シーズンのCLに出場し、グループリーグで6試合、貴重な国際経験を積んで欲しい、という願いがあった。しかし、フェイエノールトは優勝を逃したばかりか、ELの予備戦でも敗れ、早々にヨーロッパの舞台から姿を消してしまったのだ。


 PSVもトゥエンテもELで結果を残せず、ユトレヒトはルクセンブルクの、フィテッセはルーマニアの無名チームに敗れる始末だった。アヤックスはCLでFCバルセロナを倒すサプライズを起こしたが、ELではレッドブル・ザルツブルクに0−3、1−3と惨敗した。唯一健闘したのは、5バックを巧みに取り入れELベスト8に進出したAZだけだった。

中田徹
中田徹

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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