ファン・ハールが導いた誇るべきベスト4 国内の若手主体で作り上げたオランダ代表
ファン・ハールが作りあげたクラブのように緻密なチーム
ファン・ハール監督は戦術練習を徹底し、まるでクラブのように緻密なチームを作り上げた 【写真:ロイター/アフロ】
その後のポルトガル合宿から外国でプレーする選手たちもそろい、かなりの好ムードの中、5−3−2フォーメーションが仕上がっていった。壮行試合となったウェールズ戦ではオプションの4−4−2をテストするなど、オランダは事前準備の段階でやれることをやりきっていた。エールディビジ勢がCL、ELに勝てない分、オフが長いのをうまく利用し、まるでクラブのように緻密なチームをファン・ハール監督は作ったのだ。逆にスペインは、国内リーグ勢の成功の代償を代表チームが払う事となった。W杯初戦で生まれた5−1というドラマはこうして生まれた。
結果で証明したエールディビジのレベル
しかし、今大会22番目の選手としてクラシーが準決勝の62分から投入された。
「(そけい部の負傷から復帰したばかりの)デ・ヨングに対して、リスクをとりたくなかった。あの時間帯、中盤で彼がフリーマンになっていた。その状況でプレーするクオリティーを持っているのはクラシーだった」(ファン・ハール監督)
クラシーが入ってからオランダはポゼッションを再び高める事に成功し、やや優勢な時間帯を作った。こうしたエールディビジ勢のやりくりを絶え間なく行ったのが、今回のオランダ代表だった。
ディルク・カイトは言う。
「今回のオランダ代表は、半数がエールディビジの選手で占められていた。それで準決勝まで残ったのは誇っていい。決勝戦に進むに十分値するチームだった」
1年前、GKシレッセンやDFフェルトマンに至っては、2部リーグを戦うアヤックスリザーブチームの一員だった。今回の代表チームには10年秋、PSVに0−10と大敗したフェイエノールトのメンバーだった者も多い。そんな彼らが、決勝のマラカナンの舞台まであと一歩というところまで来た。今大会中にブリントが言ったように、エールディビジは皆が思うほど、レベルは低くないのかもしれない。