松井裕樹は「先発」か「中継ぎ」か=制球難の克服へ、山村宏樹が起用法を提言

構成:スポーツナビ

19日の広島戦で約2カ月ぶりの先発登板も、4回3失点で4敗目を喫した松井裕。山村氏が投球内容を解説する 【写真は共同】

 東北楽天の松井裕樹が19日、4月23日以来、約2カ月ぶりとなる先発マウンドに上がった。しかし、広島打線に対し、4回を投げ90球、3安打5四球3失点で降板。4敗目を喫し、プロ初勝利はまたもお預けとなった。
 2軍に降格する前、4試合で24四死球と制球難を露呈し、防御率6.05と打ち込まれた。2軍の公式戦では6試合に登板し8四死球、防御率0.89と結果を残していたが、今回も1軍登板で課題を克服することはできなかった。

 スポーツナビでは、楽天を取材し続けている野球解説者の山村宏樹氏に、松井裕の先発復帰登板を解説してもらった。山村氏の目には松井裕の投球はどう映ったのだろうか。

変化が見られなかった松井裕のピッチング

――松井投手の投球を振り返って。

 ストレート、チェンジアップ、スライダー、1つ1つの球を見ると確かに素晴らしい、良い球で、打たれるような球ではないのですが、トータルで見ると、良かったところ、収穫はなかったのではないでしょうか。相手は広島のエース・前田健太投手でしたし、四球から得点を許していては、攻撃にもリズムが出ませんよね。

――約2カ月ぶりの先発となりましたが、前回4月23日と比較して投球に変わった点は感じられましたか?

 びっくりするほどの大きな変化は感じられませんでした。結果もそうですが、帽子を頻繁に外してみたり、何度も上空を見上げたりするなど、マウンドでの振る舞いや落ち着きの無さも前回と変わっていませんでした。どこか不安があるのかなというものが見え隠れしていますよね。

 自信がないわけではないと思うのですが……。ファームでの登板成績を見ても、すでに技術レベルは2軍のレベルでないことは証明されていますし、それでもこのような結果が出るということは、原因はメンタルにあると思いますね。

――制球難はメンタル面に原因があると。

 2軍での登板を見ると、バッターに対し強気な姿勢、なんなら見下して投げるくらいの気持ちがあったように思います。しかし、今回のマウンドを見る限り、平常心では投げられていない、萎縮して投げているように感じました。

 2軍ではバッターが振ってくれるボールが、1軍では見逃されるというところは確かにあります。今回の登板でも、初見だった1巡目はそこそこ広島のバッターも振ってくれていましたが、2巡目からはボールを見られてカウントを悪くしていましたよね。そうなると、四球への意識も強くなってしまいますので、「四球を出しちゃいけない」という意識過剰状態になっているように思います。

「松井裕樹=四球」というイメージができてしまっていますよね。三振を6個奪っていますが、それ以上に四球が目立って見える。注目されている選手ですし、本人も相当気にしているように思います。

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