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創造者集団でも司令塔シャビは唯一無二
W杯を彩る各国注目MF陣を紹介
タレントがひしめくスペインの中盤にあってもシャビは唯一無二の存在だ
タレントがひしめくスペインの中盤にあってもシャビは唯一無二の存在だ【Getty Images】

 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会がついに幕を開けた。開幕戦では開催国のブラジルがクロアチアに3−1で勝利。幸先の良いスタートを切った。

 20回目を迎える今大会も多くのタレントが集まっているが、前回王者のスペインをはじめ、MF陣に優れた選手を擁しているチームが目立つ。中盤の戦いを制したチームが試合の主導権を握れるだけに、各国とも強化に余念がない。FW編(6月12日掲載)につづき、今回はMF編として、個と組織の両面に優れたチームを選び、その特徴をまとめてみた。

34歳のシャビが命運を左右する――スペイン

 他国がうらやむほどのタレントを中盤にそろえるのが前回王者スペインだ。MF登録の選手は9人で、ポジションとしてはウイングもこなす選手が何人か含まれている。彼らの筆頭格がシャビ・エルナンデスとアンドレス・イニエスタで、バルセロナでも名コンビとして多彩な攻撃を演出している。


 バルセロナと同じ4−3−3の場合は、彼らに長身MFセルヒオ・ブスケッツを加えた3人が中盤のファーストチョイスになるが、最近は4−2−3−1を用いる試合も多く、その場合はイニエスタがウイングに回り、展開力と対人能力に優れたシャビ・アロンソが入り、攻守のバランスをアップさせる。


 スペインの魅力は華麗なボール回しだが、見事なのは中盤を支配するためのポゼッションのパスが崩しの布石でもあること。通常、ポゼッションから相手を崩すための仕掛けに移ることを“スイッチを入れる”と言うが、スペインの中盤は常にスイッチが半分入ったような状態でパスを回し、それに従って相手も崩していってしまうのだ。


 そのためビセンテ・デル・ボスケ監督は個人として能力が高いだけでなく、崩しをイメージする両道的なパスワークに付いていくことができ、かつ特徴的な役割を果たすことができる選手を多くの候補から選りすぐっている。


 セスク・ファブレガスはバルセロナで上記の3人と良い連係を見せているが、タイミングの良い飛び出しから冷静なシュートでストライカーばりの得点力を発揮する。ダビド・シルバは1〜2タッチのつなぎとトリッキーなドリブルを使い分け、時に鋭いスルーパスでゴールをアシストする。ファン・マタとサンティ・カソルラは状況に応じて出し手にも受け手にもなれる選手たちで、ウイングに配置されても中に流れるケースが多い。


 もう1人、大躍進したアトレティコ・マドリーのMFで22歳のコケは高度なテクニックに驚異的な走力を融合し、ショートパス主体の攻撃にダイナミズムを注入する。中盤の全ポジションとウイングをこなせるため、決勝進出が期待されるスペインにあって出番は多くあるはずだ。


 ただ、それだけ豪華なタレントをそろえていても、軸になるのは司令塔シャビの存在であり、視野の広さとバランス感覚は卓越している。イニエスタですら同じ役割を満たすことはできない。後継者として期待されたチアゴ・アルカンタラがケガでメンバー外になったこともあり、34歳のシャビが決勝まで高いアベレージでコンディションを保てるかがスペインの命運を左右しうる。

河治良幸

東京都出身。セガ『WCCF』の開発に携わり、手がけた選手カード は4500枚を超える。創刊にも関わったサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で現在は日本代表を担当。チーム戦術やプレー分析を得意と しており、その対象は海外サッカーから日本の育成年代まで幅広い。著書に『サッカーの見方が180度変わるデータ進化論』など。

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