驚きの国ギリシャ 強力攻撃陣で躍進狙う=駐日ギリシャ大使に聞くお国情報
ミトログル、サマラスのそろう攻撃は強力
ギリシャ攻撃陣の注目選手となるフラムのミトログル。彼の活躍がギリシャ躍進のカギを握る 【Getty Images】
そうですね。ギリシャはノーマークでしたが、何をしてくるか分からなかった。当時の代表は1試合で5ゴールを奪う国ではなく、基本的には得点を取られないチームです。ですので守備を安定させるためにも、規律がギリシャにとっていつも重要となる要素です。
――今回のチームはどうですか?
04年の頃は、ディフェンスにとても賢い選手がそろっていました。グラウンドの中央に集まって、ただ攻撃を受けるだけのディフェンスではなく、中盤から相手を捕まえて、チャンスを作られないディフェンスをしていました。フィジカルも強かったですね。
今の監督がどんな戦術を取るかは分かりません。ただ、もし知っていたとしても、日本には秘密です(笑)。
ただ一言言えるのは、サントスとレーハーゲルは違います。
――一方の攻撃陣はどうでしょうか?
攻撃は当時より強いです。ミトログルとヨルゴス・サマラス(セルティック/スコットランド)が攻撃の中心になると思います。彼らはヨーロッパの大舞台で経験も積んでいますし、得点を奪えるでしょう。それに彼らはとても野心家なので、本気で活躍を狙ってくるでしょう。
アジアサッカーはまだ幼少期。しかしどこも似てきている
実は幼い頃、自身もサッカーをやっていたツァマドス大使。イングランドにいた時代はチェルシーユースから誘われたという話も明かしてくれた 【スポーツナビ】
私としては、楽観的に見ています。多分、日本とギリシャがグループリーグを突破できるでしょう。もちろん、コロンビアも強いです。コートジボワールはとても良いサッカー選手はいますが、やはり規律の問題があるでしょうね。
ただ、とても力が均一したグループですし、チームも南米、アジア、アフリカ、ヨーロッパと分かれています。すごく楽しみなグループです。
――ちなみに、日本のサッカーは見たことありますか?
テレビで見たことありますよ。とてもいいサッカーをしていると思います。ドイツに似ているイメージですね。とてもサッカーに真剣に取り組んでいますし、体力もありますし、技術もあります。数人のトップ選手はイマジネーションにも優れていると思います。
やはり日本はアジアの中で一番いいサッカーをしていると思います。
――アジアとヨーロッパではサッカーに違いがあると思いますか?
アジアのサッカーはまだ幼少期にいると思います。それに比べて欧州は歴史が古いです。
文明も同じだと思いますが、米国は新しい国で文明はゼロです。アジアのサッカーもまだ新しく、それに比べてヨーロッパは各国にアカデミーがあります。ドイツもイタリアも、スペインもギリシャも。それぞれがサッカー文化を持っていると思います。
それが一番現れているところが守備のシステムのところじゃないでしょうか。ただ現代は、グローバライゼイションが起こっているので、ゆっくりゆっくり似てきていますよね。日本人も似ているし、ギリシャ人も似たようなサッカーをしていると思います。どの国でも、いろいろな国の選手がいますので。
――最後の質問になりますが、日本とギリシャ、どちらが勝利すると思いますか?
やってみないと分かりません。でもできるなら、引き分けになってほしいですね。そして決勝で、日本とギリシャに当たって欲しい。そこでまた(ユーロの決勝のときのようにギリシャが)1−0で勝って欲しいです。ここまで来ると、SFの世界ですが(笑)。
何より、両チームの幸運を祈るだけです。