ザック「頭がどう機能するかを見た」=壮行試合 キプロス戦後会見

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W杯前、国内最終戦となったキプロス戦を勝利で飾った日本代表。ザッケローニ監督は「ゲームには満足している」とコメント 【Getty Images】

 サッカー日本代表は27日、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会の壮行試合となるキプロス戦(埼玉スタジアム)に臨み、前半に挙げた内田篤人のゴールを守りきり1−0で勝利した。

 本田圭佑、香川真司らが先発出場した日本は、序盤からボールを支配。なかなかフィニッシュまで持ち込むことができなかったが、前半43分、左サイドからの展開で、最後は内田がけがからの復活弾となる先制点を挙げた。後半も日本が攻勢に試合を進め、終始主導権を握り、無失点で試合を終えた。

 試合後、日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督は、「(フィジカルトレーニングで)身体が重かったので、その分、頭がどう機能するかを見たかった。今日のゲームには満足している」と指宿合宿での疲れが残っている中でも、勝利を収めた選手たちに合格点を与えた。
 また本田に関しては、「『彼の家』と呼んでいるのだが、トップ下でより多くの時間帯をプレーしなければならないと思う」と言及している。

埼玉スタジアムではたくさんの成功を収めた

――試合の総評と本大会に向けて修正すべき点は?

 ゲームに関しては、指宿合宿でフィジカルトレーニングをやっていたので、当然ながらキレや輝きを求めることはできなかった。そういった中で、その時々でテーマを掲げているが、今回は身体が重かったので、その分、頭がどう機能するかを見たかった。その意味では、非常に満足している。今日の相手はかなり引いて、ボールを持った時にはロングボールを放って裏のスペースを狙いながら間延びさせようとしてきた。そういう相手に対し、頭のキレがなかったら今日のような対応はできなかったと思う。

 とはいえ、チームはトライをしてくれたし、何本かシュートを打ってチャンスも作ってくれた。また前半開始直後、ロングボールから裏を取られる場面があったが、それ以降は柔軟に対応できていたと思う。当然、今晩の試合ではW杯のスピードを求めても仕方ない。それよりは頭のスピード、つまり判断力を重点的に見たかった。

 もうひとつは、W杯前の最後の試合ということ。ここ埼玉スタジアムでは、たくさんの成功と素晴らしいゲームがあって、サポーターの皆さんとも喜びを分かち合えた。その意味で、ここで試合をして『行ってきます』というメッセージを発信したかった。このスタジアムでのフレンドリーマッチは2試合のみだった。(私の)最初の試合となったアルゼンチン戦(10年10月8日)、そして(W杯前では国内)最後となるキプロス戦だ。それ以外はW杯予選で、この場所で今のポジションを勝ち取ってきた。すべての試合に勝利した。唯一、オーストラリア戦(13年6月4日)は引き分けたが、あれは自分の中では勝利に等しい。

 今日のゲームには満足している。この4年間で皆さんもよくご存じだと思うが、私は結果を約束するのではなく、結果を出すための努力を約束するタイプの人間だ。

――W杯での具体的な目標は?

 まずチーム力を高めていかねばならない。その努力をした上で、そのサイズに合った具体的な目標を決めていこうと思う。個人的には、このチームのことを信頼しているし、スピード面で仕上がっている。準備を進めながら目標を設定したいし、当然W杯なので相手の力量を見ながら、できるだけ前を見て行こうと思っている。

 今日、けがで離れていた3選手が復帰したが、内田にも吉田(麻也)にも長谷部(誠)にも満足している。今日のゲームでは時間制限を設けていたが、あと2試合あるので、もう少しその時間を伸ばしていければと思う。当然、日々のトレーニングや状況を見ながら6月14日の初戦(コートジボワール戦)には100(パーセント)で臨めるような準備をしていきたい。

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