ホエール府中マイル強さの秘密を聞いた=ヴィクトリアマイル直前インタビュー
夏負けが尾を引き低迷期に……
「順調。このまま本番まで行ってくれれば」と長谷川調教厩務員 【netkeiba.com】
「ヴィクトリアMの後の宝塚記念は相手も強かったでしょうし、馬場も悪かったですからね。夏は北海道で越していた馬が、その年は初めてこちらで過ごしたこともあり、夏負けしてしまったのが影響しました」
一度落ちた調子はなかなか戻らず、船橋のクイーン賞(交流GIII・ダ1800m)で13着に敗れた後に放牧に出た。昨年春シーズンの復帰戦は、4月の阪神牝馬S(GII・芝1400m・14着)。
「少し急仕上げ気味でしたが、そんなに悪くなかったので格好はつけてくれるかなと考えていましたが、思いのほか走らなかったんですよね。ですからヴィクトリアMも半信半疑の部分はありましたけど、復調してきてはいたんですよ」
その言葉の通り、調子を取り戻しつつあったホエールキャプチャは、ヴィルシーナとハナ差の接戦を演じて2着と前年覇者の貫録を見せ、秋シーズンも府中牝馬S(GII・芝1800m)に優勝するなど、復活を強く印象づけた。
ヴィクトリアM2勝目&昨年のリベンジへ
日向ぼっこがホエールキャプチャの日課、これで英気を養った後はいざ府中マイル決戦へ! 【netkeiba.com】
「東京新聞杯後はヴィクトリアMに直行と決まり、レース後は1カ月弱放牧に出て、戻ってきてからはじっくりと乗り込んできました。至って順調に来ていますし、本番までこのまま行ってくれれば良いかなと思っています」
6歳という年齢を考えると、もしかするとヴィクトリアMは今年が最後の出走になる可能性もあるだろう。そのあたりも含めて、レースに向けての意気込みを聞くと
「勝ちたいですよ」と、力強い言葉が返ってきた。そして、こうも付け加えた。
「去年のエリザベス女王杯(GI・芝2200m・6着)で、ホエールキャプチャより前にいた馬も出てくるわけですし、その後に力をつけている4歳馬もいますし、昨年勝ったヴィルシーナもいますから、かなり面白いメンバーですよね。その中で良い競馬をしてくれて、もちろんウチの馬が先頭でゴールしてほしいというのもありますが、まずは皆無事に走ってほしいと思いますね」
以前はうるさいところもあったというホエールキャプチャだが、最近ではだいぶ落ち着いてきたという。そんな彼女の日課は、午後の日向ぼっこ。毎日20、30分は陽の光を浴びている。このインタビューも、日向ぼっこ中にお邪魔して行ったものだ。長谷川さんと話をしている間も、ほとんど動かず、実に気持ち良さそうな表情で太陽の下、佇んでいた。こののんびりリラックスしている姿からは、レースでの力強い走りはとても想像できないが、この日向ぼっこというオフの時間があるからこそ、あの強さを発揮できているのだと確信するに至った。