156キロ右腕 早大・有原航平が描く未来像「メジャーは憧れ、日本で実力つける」

週刊ベースボールONLINE

自覚はあっても気負いはない。有原は自分が思い描くエース像を追求している 【写真=BBM】

 今追いかけているのは4季ぶりのリーグ優勝。そのためには越えなければならない壁が存在する。そしてその先にあるのはプロの世界。有原自身がさらに上のレベルで戦うために必要なものとは何だろうか。目指す投手像、そして野球選手として思い描く未来像とは――。

MAX156キロも本人曰く「技巧派」

──最速156キロの本格派右腕と呼ばれていますが、球速へのこだわりはあるのでしょうか。

 もう意識はしていないですね。球速というより、コントロール良く投げることが大事なので。

──球場の球速表示では9回に150キロが出たこともありました。

 何でですかね? リズムが良くなってくると、気持ちよく投げられるので。そのせいでしょうか。流れに乗っているときは、自然と球速も出るような感じがします。

──そして変化球も多彩です。

 今はスライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップ、ツーシームを使っています。その中でもチェンジアップが重宝していますね。三振を狙うとき、カウントを整えるときの両方で使っているんですけど、タイミングを外すことによって、ほかの球も生きてくるので。

──投手としてのタイプは?

 真っすぐばかりで押すタイプではないですね。いろいろな球種をコーナーに集めて打者を打ち取るイメージです。本格派というよりは技巧派に近いと思います。変化球がうまく使えれば、時折投げる真っすぐも生きてくるので。

メジャーは「イメージがまだ湧かなかった」

同じドラフト上位候補である法政・石田健大との投げ合いとなった4月12日の1回戦では、日米16球団のスカウトがバックネット裏に陣取った 【写真=BBM】

──2月末から約1週間、ロサンゼルスでキャンプを行いましたが、そのあたりを試すことはできましたか。

 パワーのある外国人打者と対戦しましたが、結構抑えることができたんです。これは大きな自信になりました。同じ大学生だったんですけど、体が大きいだけでかなりの威圧感がありましたから。また、米国滞在中にドジャー・スタジアムを見学したんです。すごくきれいで、日本の球場とはまた違った空気感がありましたね。

──そのマウンドに立ってみたいという思いは芽生えませんでしたか。

 でも、まずは結果を残して、評価をされる投手にならないといけないですね。自分がそこに立つイメージはまだ湧かなかった。メジャーは現時点で憧れの世界に過ぎない。日本のプロ野球で実力をつけて、認めてもらえるようにならないと。

「チームを勝たせるピッチングにこだわりたい」

少年ファンによるサインのお願いに応える有原。投げるたびに注目度は高まってきている 【写真=BBM】

──プロ野球やメジャーと話が飛躍してしまいましたが、まずは今戦っている春のリーグ戦。現在は慶応が負けなしで首位。早稲田は同じ勝ち点3、勝率の差で2位。早慶戦で優勝が決まる可能性もあります。

 早慶戦のことはまだ考えていないです。まずは5月17日からの明治戦。早稲田はいつも明治にやられているので、明治に勝たないことには早慶戦も見えてこない。チームみんなが明治に勝つという意識をどんどん高めています。

──明治を乗り越えれば早慶戦です。これまで、どんな気持ちでマウンドに立っていましたか。

 あまり気にしないタイプなので(笑)、いつもどおり投げています。

──ひょうひょうと、という表現が正しいか分かりませんが、常に冷静に投げている印象があります。

 感情を出さずに、普通にやっています。普通にやった方がいい結果につながるんです。あとは先発完投を意識しますね。三振も必要ですが、球数を少なく、テンポ良く投げることが大事だと思っています。

──個人としての目標はありますか。

 強いて挙げるならベストナインです。最優秀防御率のタイトルは昨年の秋にいただきましたが、ベストナインはチームが優勝しないともらえないと思うので。チームを勝たせるピッチングにこだわりたいです。

2/2ページ

著者プロフィール

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント