“火の玉ボーイ”五味が久々のUFC参戦=「今回は生き残り戦。勝てば流れ変わる」

長谷川亮

「今年は9月の日本大会にも出たい」

日本時間4月27日のUFC172で昨年3月以来の試合に臨む五味。3勝4敗と負け越している戦績を五分にできるか!? 【長谷川亮】

 昨年3月のUFC日本大会で拳を負傷し、「UFC172」(日本時間4月27日、米国メリーランド州ボルチモア)が復帰戦となる五味隆典。35歳となった“火の玉ボーイ”は、しかし「年齢なんか言い訳にならない」と語り、次戦はもちろん、その後に見据える9月の日本大会までの意気込みを語る。すでに戦闘モードで闘志を高める五味を、拠点である久我山ラスカルジムでキャッチした。

――試合が間近に迫り、どんな心境でいらっしゃいますか?

 まぁ楽しみです。ケガの後だし、今回は生き残り戦っていうのもありますし(※五味は現在3勝4敗とUFCで負け越している)。でも続ける以上は勝たなければ意味のない世界ですし、勝てば流れも変わりますから、勝ちに行かないとって思ってます。

――昨年3月、日本大会以来の出場となりますが、そのディエゴ・サンチェス戦を振り返っていかがでしょう?

 ちょっとコンディション的に焦って出てしまったっていうのがあるんですよね。(12年)11月に試合が終わって、3月の頭でしたから(※昨年の日本大会は3月3日)、そうすると休んだ後で2カ月しかないんですよね。

――12年11月の試合で勝利後、五味選手は少し置きたい、休みたいと言われていたので、日本大会出場が発表された時は驚きました。

 やっぱり日本でやる以上、どんなコンディションにしても日本のお客さんの前に出なきゃっていう気持ちがあったんじゃないかと思います。でも、結果的にそれで1年空いてしまいました。まぁ、それはしょうがないですけどね。大体格闘家なんてワガママだから、試合やれっていえば嫌がるし、なければやりたいって言うし(笑)。みんなそうです(苦笑)。

――今年も9月にUFC日本大会の開催が発表されています。ファンとしては五味選手に4月をクリアして9月の日本大会に、と思うところですがいかがでしょう?

 そうですね、今回は早めにスケジュールが出ているので、やっぱりモチベーションが全然違います。開催するか、しないか分からないのと、1年間のスケジュールが出ているのでは。ですから今回の試合と9月の試合、今年は2試合頑張ろうと思ってます。

「前回は気持ちとコンディションが作れてなかった」

――昨年のサンチェス戦は五味選手が勝っていたという声も多いですが、ご自身はどう思っていますか?

 部分部分はそんなに見劣りしないで、ハンドスピードがあってなかなか迫力ある打ち合いだったと思うんですけど、やっぱり気持ちの部分とコンディションが作れてなかったですよね。実際相手の方が前に出ていたし。

――相手のディエゴ・サンチェスに体重超過もあった試合でした。

 一つ言えることは、体重制の競技で大きい奴には勝てない(苦笑)。「それを打ち破って」とは言うけど、ルールは1個しかないからね。男がパンツ一枚になって体重を合わす、それだけ。あとはステロイドをやらない、それぐらいのことだけだから、それは守ってほしいよね。何とも言えない嫌な気分になっちゃいます。ずっと言い訳もしちゃうし。難しいところですね。

――拳を痛めたのはどの場面だったのですか?

 終わった瞬間分かりましたけど、骨折までしてるとは思わなかったです。これまでも骨折はなくて脱臼ぐらいでした。なのでやっぱりそういうのは体重オーバーとか、相手のフィジカルの強さですよね。もともと1階級上の選手ですし、そういうのがちょっと影響したかと思います。

――試合を終えてからの経過はどのように?

 夏ぐらいまでに骨の方は治りまして、手術も成功したので、その後はリハビリです。練習は抜糸が終わればすぐ再開して、基礎体力をやり出して。レスリングの大会なんかも出ました。

――五味選手は最初はやはりレスリングから始めて体を作っていくのですか?

 あまりこだわる必要もないんですけど、やっぱり基礎体力は組み技の方がつくので。そういうものです。

――前回焦って出てしまった分、今回は万全のコンディションで臨めますか?

 もうやりたくてウズウズしていて、今回はフィジカルと組み技を中心にやってます。あとはジムでのサーキットトレーニングとか。まだ体が重いところが少しあるので、これからスピードトレーニングをしていく感じです。

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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